最新リリース

- 2023年12月8日
- 2曲
- Let It Bleed (Remastered) · 1969年
- Out of Our Heads · 1965年
- Tattoo You · 1981年
- Hackney Diamonds · 2023年
- Beggars Banquet (2018 Remaster) · 1968年
- Sticky Fingers (Deluxe Edition) · 1968年
- Aftermath · 1966年
- Some Girls (Deluxe Edition with Bonus Video) · 1978年
- Hot Rocks 1964-1971 · 1968年
- Let It Bleed (Remastered) · 1969年
必聴アルバム
- ディスコやパンクの影響のもとに作られた一枚かといえば、さにあらず。ヒットシングル"Miss You"にしてもいわゆるディスコではなく、ヒップホップを取り入れた"Undercover of the Night"(1983年リリース)同様、イカしたロックナンバーだ。アルバム全体を占めるのもスカスカのサウンドでシンプルゆえにダイナミックなロックへの原点回帰をうたっている。レゲエやファンクに接近した前作「Black and Blue」と比較しても非常にストレートなロックンロールという印象を受けるが、さまざまな音楽的影響を思いのままに操る彼らの音楽性が、より高度で複雑なニュアンスを擁するものへと昇華した賜物(たまもの)なのだろう。なかでも"Shattered"は、投げやりなリリックにニューウェーブなサウンドが最高にカッコいい。
- ラフでルーズと形容される彼らの演奏スタイルが存分に楽しめる本作。鋭利で力強いリフとグルーヴ、遊び心たっぷりな演奏はジャムセッションから派生したもので、"Tumbling Dice"のような名曲も例外ではない。幾度もテイクを重ねた末に骨格を定め、緻密にアンサンブルを組み立てる労を惜しまない彼らは、"Rocks Off"と共に一級品のロックサウンドに仕立て上げている。対照的に"Sweet Virginia"や"Torn and Frayed"は図らずもカントリー音楽に寄せた佇まい。そして"Shine a Light"ではゴスペルを意識したオルガンとコーラスがフィーチャーされて、ミック・ジャガーの歌の情調にも合っている。アメリカ南部の音楽への接近によって、より豊かな音楽性を手にしていく過程が分かる好盤。
- ザ・ローリング・ストーンズの1970年代は本作から始まった。バンド自らが興したレーベルの第一弾で、前代未聞のジッパー付きLPジャケットの原案と撮影をアンディ・ウォーホルが手掛けたことも話題になった。新加入のミック・テイラーと進境著しいキース・リチャーズ、2人のギタリストが両輪となって、さらなるドライブ感と構成力がもたらされたことの意味は大きい。"Brown Sugar"では、これぞストーンズという熱演に心が踊る。また当時のミック・ジャガーがいかに卓抜した歌唱力の持ち主であったかは、珠玉のカントリーバラード"Wild Horses"とサザンソウル風のバラード"I Got the Blues"を聴けば十分だろう。ポール・バックマスターによるストリングスアレンジによって神秘的なムードが倍加された"Moonlight Mile"からは、新たな方向性の萌芽さえ見える。全英と全米で4週連続ナンバーワンを獲得した名盤。
- 今日に至るザ・ローリング・ストーンズの音楽性は、このアルバムから再出発したものだと言っても過言ではない。1960年代の最後を飾るにふさわしい彼らの代表作だ。前作『Beggars Banquet』で始まったルーツミュージックへの回帰は、本作でより深い場所までリーチしている。不穏なスライドギターや、緊張感をはらんで跳ねるピアノやハーモニカは、終末を想起させるものでもある。ラブ&ピースの時代の終わりを予感させる、シリアスでハードなロックンロールが本作の強烈な個性なのだ。ベトナム戦争を歌った「ギミー・シェルター」や、実在の殺人犯をテーマにした「ミッドナイト・ランブラー」など、荒涼とした時代と精神を映し出したナンバーも多い。7分に及ぶ大作「無情の世界」のゴスペルコーラスが告げるのは世界の終わりか、それとも救いなのか…。本作はブライアン・ジョーンズが参加した最後の作品となったが、ギターパートの大半はキース・リチャーズが弾いている。
- サイケデリックムーブメントやヒッピーカルチャーの影響下にあった時代から脱し、ザ・ローリング・ストーンズが自分たちの原点であるルーツミュージックに回帰した一作。ただし、スライドギターを多用した本作のブルースやカントリーは単なる懐古趣味とは程遠く、退廃的で危ういムードに満ちている。アフリカンパーカッションで幕を開ける「悪魔を憐れむ歌」は、そんな本作のハイライトとなるナンバー。呪術的なトリップをいざなうグルーヴや、文字通り悪魔的な歌詞も含め、この時期のストーンズのヒリヒリするような魅力が同曲には詰まっている。「ストリート・ファイティング・マン」を筆頭に、ミック・ジャガーの妖艶でカリスマチックなボーカルも際立っている。1968年、ライバルのビートルズがバンド崩壊へと向かうそばで、本作によってストーンズのロックンロールは次の10年へと道筋がつけられた。プロデュースを手掛けたのはジミー・ミラー。ストーンズは1970年代にミラーとのタッグで数多の名作を世に送り出していくことになる。
- 2023年
- 2016年
- 2005年
- 1997年
- 1994年
- 1986年
アーティストプレイリスト
- 壮大なしかめっ面のリフ、あざ笑うようなボーカル、ブルージーなブギー。
- 最強のロックンロールバンドによる名曲/名演がずらりと並んだ映像作品の集大成。
- 過去の名曲がライブバージョンで生々しく新鮮に響くプレイリスト。
- 絶えずバージョンアップされるバンドの魅力を、豊富なカタログから掘り下げる。
- ストーンズのエネルギッシュな名曲で、日々のワークアウトを楽しもう。
- 2023年
- 2022年
- 2022年
- 2021年
- 2020年
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ザ・ローリング・ストーンズについて
ザ・ローリング・ストーンズ以前にロックが存在しなかったわけではない。しかし彼らが打ち立てたほどのスケールや影響力、もしくは完璧なアティテュードがあったとは言えない。それは彼らの他者性と関係があるだろう。彼らが模倣したアメリカのサウンド、つまりブルース、カントリー、R&Bが自分たちのものではなかったからこそ、彼らはそれらの音楽に対してより一層畏敬の念を抱き、自由な探求心を持ったかのように映る。彼らの本領が発揮された音楽は、遺跡の発掘のように過去と現在を対話させながら展開する。古典的で時代遅れのようなサウンドの中に、彼らは新鮮な意味とつながりを見いだしていく。ミック・ジャガーはかつて、45歳で「Satisfaction」を歌うくらいなら死んだ方がましだと言った。もちろん彼の世代には、比喩的であれ真実であれ、同じ態度を取ったアーティストが他にもいた。しかしたとえロックな生き方ではないにせよ、ザ・ローリング・ストーンズは生きる道を選んだ。キース・リチャーズが駅のホームで、マディ・ウォーターズとチャック・ベリーのレコードを持ったミック・ジャガーを見つけたことが始まりだった。シンガーのミック・ジャガーとギタリストのキース・リチャーズは1962年にバンドを結成し、ジャズドラマーのチャーリー・ワッツとベーシストのロン・ウッドをメンバーに加えた。やがてブリティッシュ・インヴェイジョンの先頭に立つ存在になり、テディベアのような存在のビートルズとは正反対の問題児になった。「Ruby Tuesday」「Mother’s Little Helper」のように、1960年代半ばにはフォークとサイケデリアに手を出したこともあったが、一周して「Under My Thumb」や「Paint It Black」のような粗削りのダークなサウンドにいつも戻ってきた。いくつかの例外(ビートルズのシェイスタジアムでの最終公演など)を除けば、“アリーナロック”という概念はザ・ローリング・ストーンズが現れるまで存在しなかったといえる。そのための基盤、つまり技術力がなかったからだ。カントリーを無秩序に取り入れた『Beggars Banquet』や『Exile On Main St.』、自信に満ちた『Some Girls』など、彼らは1960年代後半と1970年代に数々の名作を出しながらも、彼らのレガシーが築かれたのはライブのステージ上だった。小さなクラブの汗だくの興奮をホッケーリンクやフットボールのスタジアムへとスケールアップさせ、スタジオは休息ではなく鍛錬の場として利用していたのだ。ミック・ジャガーの75歳の誕生日を記念して、ドイツの昆虫学者が同僚を説得してバンドのメンバーにちなんだ名前を化石に付けた。長命な彼らに対する、愛のこもったユニークなオマージュといえるだろう。ジャガーは76歳の誕生日に休みを取ったものの、その翌日の晩には、バンドはツアーに戻ったのだった。
- 出身地
- London, England
- 結成
- 1962年