100 Best Albums
- 1966年5月16日
- 13曲
- The Very Best of The Beach Boys: Sounds of Summer · 1966年
- Greatest Hits · 1988年
- The Very Best of The Beach Boys: Sounds of Summer · 1963年
- Summer Days (And Summer Nights!!) (Mono & Stereo) · 1965年
- Smiley Smile (Mono & Stereo) · 1966年
- The Very Best of The Beach Boys: Sounds of Summer · 1964年
- Pet Sounds (50th Anniversary Deluxe Edition) · 1997年
- Pet Sounds (50th Anniversary Deluxe Edition) · 1966年
- Pet Sounds · 1966年
- Pet Sounds · 1966年
必聴アルバム
- 1970年代のザ・ビーチ・ボーイズはここから始まった。ハーフリタイア状態だったブライアン・ウィルソンが現場復帰し、メンバー全員がそれぞれ最良の楽曲を持ち寄って結集。それが実って、ピースフルなヴォーカル&ハーモニーと明るく洗練されたサウンドの作品に仕上がっている。とくにデニス・ウィルソンによる"Forever"は純度の高いラブソングとして人気が高い。またブルース・ジョンストンが感傷的な歌声で魅了する"Tears in the Morning"、ブライアンらしいメロディラインにカール・ウィルソンの美声が映える"This Whole World"、チルウェーブを40年先取りしたようなアレンジが心地良い"All I Wanna Do"など、粒選りのポップナンバーが詰まった逸品。
- 幻となった「Smile」セッションから蘇った"Surf’s Up"は、今も多くのファンから愛されているザ・ビーチ・ボーイズの代表曲の一つである。ノスタルジーと夢想的なイメージに満ちたこの神秘的なバロックポップが掉尾を飾る本作を、彼らの最高傑作として挙げる人も少なくない。カール・ウィルソンのエナジーあふれるポップソウル"Long Promised Road"、ブルース・ジョンストンのジェントルなヴォーカルと美しいコード進行が光る"Disney Girls (1957)"、そしてブライアン・ウィルソンが自らの精神的な葛藤をイノセントな歌に昇華させた"’Til I Die"あたりは文句のつけようがない質の高さ。一方で"Don’t Go Near the Water"のような海洋汚染の問題を扱ったメッセージソングを彼らが歌うという皮肉に満ちた現実が胸に刺さる。
- ブライアン・ウィルソンのアレンジは、誰も聴いたことのないような複雑さをロックミュージックにもたらしたが、それと同時に、若さとは全てがオーケストラと同じ重みで響く、というシンプルで詩的なポイントも捉えていた。同時期にヴェルヴェット・アンダーグラウンドのようなバンドが音楽を通じてダークな現実を描き出そうとしていたのとは対照的に、『Pet Sounds』は軽やかな1930年代のジャズや、異国情緒漂う1950年代のエキゾチカなど、古き良きハリウッドと黎明期のテレビ文化に立ち戻った。共同作詞者のトニー・アッシャーが広告業界出身であることも納得がいく。そんな野心とは裏腹に、ウィルソンは端正で、直接的で、そして普遍的なものを映し出す必要があることも分かっていた。 こうして作り上げられた『Pet Sounds』は、ポップミュージックが親しみやすさを保ちながら、同時に繊細な内面世界を表現することも可能だと世に示し、後継のミュージシャンたちに今なお絶大な影響を与え続けている。 LSDを使ったウィルソンの実験は派手な形では目立っていないが、彼がどんな冒険にも匹敵するほどに深く埋もれた感情を掘り起こそうとしているのが聴き取れるだろう。
- これまでザ・ビーチ・ボーイズの看板だったサーフィン&ホットロッドミュージックと決別し、より内省的な歌の世界に歩を進めることで、新たな音楽的地平が開けた重要作。オープニングの"Do You Wanna Dance?"から"Dance, Dance, Dance"まで息つくひまもなくアップビートなサウンドで押しまくり、一転して"Please Let Me Wonder"からはロマンティックなバラードばかりが続くアルバムの流れは斬新。しかし本作で特筆すべきは、Brian Wilsonのプロデュース手腕が最大限に発揮されていることだろう。フィル・スペクターのウォール・オブ・サウンドへの憧れを創造的なバネにして、じっくりと音作りに取り組んだ成果がアンサンブルやハーモニーの随所に聴き取れる。
- 1985年
- 1978年
- 2022年
- 2022年
- 2022年
- 2022年
アーティストプレイリスト
- サーフミュージックの先駆けであり、米国ロックの代表格の名曲をセレクト。
- 多くのアーティストに影響を与える伝説的バンドのライブ映像を含めたビデオ作品。
- 豊かなハーモニーとメロディが若者文化を彩ったアメリカンポップ黄金時代。
- ザ・ビーチ・ボーイズの美しいメロディーとハーモニーを受け継いだ楽曲の数々。
- 海をテーマにした楽曲が多いザ・ビーチ・ボーイズには珍しい、ラブソングのみをセレクト。
ライブアルバム
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ザ・ビーチ・ボーイズについて
1960年代初期に登場したザ・ビーチ・ボーイズは、まさにアメリカのサウンドそのものだった。しかし続く半世紀あまりの間に、彼らはアメリカの分断された魂や、愛国的な楽観主義と暗い真実の間で揺れる精神的な葛藤を象徴する存在となっていった。1961年、ブライアン、カール、デニスのウィルソン3兄弟と、いとこのマイク・ラヴ、そして高校の友人アル・ジャーディンが、ロサンゼルス郊外のホーソーンでバンドを結成。彼らが手掛けたサーフミュージックの名曲「Surfin’ U.S.A.」は、太陽が輝くカリフォルニアのファンタジーを永久に定義付けた。サーフィンのブームが去ると、ブライアンはバンドの主要なソングライターからオールラウンダーなクリエイティブディレクターへと役割を広げる。1960年代半ばの「California Girls」などのヒット曲は、フィル・スペクターのウォール・オブ・サウンドなどに影響された、ザ・ビーチ・ボーイズの新たな音楽性を示すものだった。ブライアンの作家主義的な視点と、進化し続ける曲作りのスキルは、1966年のチャンバーポップの名作『Pet Sounds』で鮮やかな頂点に達する。このアルバムは、ビートルズが『Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band』を作るインスピレーションとなり、ロックが高尚なアートへ昇華したことを告げる作品となった。しかし、強迫観念に駆られていたブライアンは精神状態が悪化し(子どものころに受けた虐待のトラウマによって拍車が掛かった)、その結果『Pet Sounds』の壮大な続編になるはずだった『Smile』は未完成のままお蔵入りになる(同作の楽曲は後に掘り出され、1967年に奇怪なポップソングを集めた『Smiley Smile』が作られた)。やがてブライアンが長い隠遁(いんとん)生活に突入すると、バンドはスタジオでより民主的なアプローチを取るようになり、1971年の『Surf’s Up』をはじめとする一連のアルバムは、折衷と試行の中で創造性を模索する作品となった。それは当時流行していたアシッドロックとは明らかに同調しないものだったが、ソウルとサイケデリア、オーケストラを使ったポップの秀逸な融合は、後の世代における学識深い宅録ミュージシャンたちによって再評価され、彼らのスタイルに取り込まれていくことになる。その後数十年にわたって、バンドは幾度のメンバーチェンジや法的な内部争い、度重なる悲劇(デニスとカールがそれぞれ1983年と1998年に他界)、さらにキャリア末期の思いがけない新たなヒット曲(映画『カクテル』の主題歌となった「Kokomo」)など、嵐のような変遷をくぐり抜けてきた。しかし、若々しい希望が刻まれたザ・ビーチ・ボーイズの名曲の数々は、アメリカンドリームが現実のものだと改めて感じさせてくれるだろう。
- 出身地
- Hawthorne, CA, United States
- 結成
- 1961年
- ジャンル
- ポップ