U2

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  • War

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U2について

ロックンロールは世界を変える、という基本的信念を体現してきたバンドはU2をおいて他にない。1970年代後半のポストパンクバンドがこぞってロックミュージックをリズムと不協和音の断片に脱構築していく中、ダブリン出身のボノ(Vo)、ジ・エッジ(G)、アダム・クレイトン(B)、ラリー・マレン・ジュニア(Dr)の4人はその屈強なエネルギーをより情熱的で利他的な方向に注いだ。そしてザ・クラッシュの熱い理想主義と、ビートルズが持つポップカルチャーを一新する完全無欠な能力を組み合わせたかのような、自らの世代を定義するバンドへと変貌を遂げていったのだ。1983年の画期的なアルバム『War』で、ボノはオルタナティブロック界屈指の伝道師として頭角を現し、怒りに満ちた「サンデイ・ブラディ・サンデイ」での哀調を帯びた歌声は北アイルランド紛争の無益さを体現していた。しかし1984年の『The Unforgettable Fire』でブライアン・イーノとダニエル・ラノワをプロデューサーに迎えると、U2はパンクで培った怒りを捨て、市民権をたたえるアンセム「プライド」や、じわじわと湧き起こる歓喜の歌「バッド」などの音楽へと移行し、その変化は再びイーノとラノワがプロデュースした1987年の『The Joshua Tree』で頂点に達した。ジ・エッジの激しいギターがさざめくようなテクスチャーに取って代わられ、「I Still Haven’t Found What I’m Looking For」や「Where the Streets Have No Name」といった胸に響く聖歌の数々によってU2のアリーナ級の熱情に崇高な美しさが吹き込まれた。『The Joshua Tree』は普遍的な魅力をたたえ、史上最大級の売り上げを誇るアルバムになった。世界で最も有名なロックバンドとしての地位を謳歌しながら、U2はさらに大きく大胆になっていき、1991年の『Achtung Baby』と1993年の『Zooropa』で大胆不敵なポストレイヴリズムの爆発を起こし、その締めくくりとなった革新的なZoo TVツアーは、スタジアムでのショーを感覚に訴えるマルチメディアの華やかな祭典として再定義した。しかし、彼らの音楽的好奇心がどこへ向かおうとも、彼らのステージがどれだけ手の込んだものになろうとも、そして活動家としてのボノがどれだけ多くの世界的指導者と付き合おうとも、U2はインスピレーションを与える自らの使命を決して見失うことはない。彼らは、人々を結束させ高揚させる力を改めて見せつけながら、2000年代になっても「Beautiful Day」(2000年)や「You’re the Best Thing About Me」(2017年)などのヒット曲を生み出している。

出身地
Dublin, Ireland
結成
1976年
ジャンル
ロック
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