放生会

放生会

7組の女性シンガーとのデュエットを中心に据えた、刺激的なアルバム。5年ぶりとなるソロ作であり、男声をフィーチャーした前作『三毒史』(2019年)と対を成す。幕開けは中嶋イッキュウ(tricot、ジェニーハイ)を招いたスリリングな「ちりぬるを」。ファンク色の濃いこの曲をはじめ、リズムにインパクトがある曲が際立つのは、2023年のツアーを共にした石若駿(Dr)と鳥越啓介(B)が全曲に参加しているためだろう。のっち(Perfume)との「初KO勝ち」、新しい学校のリーダーズのSUZUKAと絡む「ドラ1独走」など、どの曲もビートが鋭く、歌の世界観が強烈だ。タイトルは“ほうじょうや”と読み、椎名林檎の出身地である博多の祭りでも知られている。生き物すべての霊に感謝する祭りであり、本作全体に生や命についてのテーマが内在しているようだ。2019年に宇多田ヒカルと共演して話題を呼んだ「浪漫と算盤」は、新バージョンで収録。ポップでありながらもディープな表現を怠らない、面目躍如の一作。

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