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ポスト・マッドチェスターバンドとして登場し、はっぴいえんどをはじめ、1970年代の邦楽ロックに注目したことで生まれた1995年の前作「若者たち」を経て、その名を広く知らしめたサニーデイ・サービスのセカンド作。ガレージロックやオルタナティブロック、ヒップホップやハウスなど、さまざまな要素を取り入れながら、バンドの音楽性はその後も変化を続けていくが、この作品ではフォーキーなアレンジと作品コンセプトである"東京"の街のイメージによって、多彩なスタイルのサウンドに満ちたポップスアルバムへと昇華。なかでも印象的なベースラインで幕明ける"恋に落ちたら"やボブ・ディランに触発された"青春狂走曲"、ザ・スタイル・カウンシルの"My Ever Changing Moods"を彷彿とさせる"あじさい"は初期の代表曲としてファンに愛されている。