ベートーヴェン生誕250年を記念し、フランスのエベーヌ弦楽四重奏団は、南極を除く世界6大陸のコンサートホールにおいて、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲全16作品を演奏し、そのツアーをレコーディングする企画を進めている。このアルバムはその第1弾として、彼らがウィーンで行なった公演から「Razumovsky（ラズモフスキー）」と呼ばれる作品からの2つを収録したもの。Op. 59のNo. 1とNo. 2は、ともに激しく、繊細なエネルギーが注ぎ込まれたエキサイティングな演奏となっている。結成20周年も重なり、まさに最高の状態にあるエベーヌ弦楽四重奏団。世界をベートーヴェンと共に旅するスケールの大きなこのプロジェクトは、彼らの優れたセンスや音楽性があってのものだ。