Mozart: String Quartets, K. 421, 465 "Dissonances" & Divertimento, K. 138

Mozart: String Quartets, K. 421, 465 "Dissonances" & Divertimento, K. 138

エベーヌ弦楽四重奏団は、フェリックス・メンデルスゾーンの洗練されたロマン主義の楽曲も、アンリ・デュティユーのかすみがかかったようなポスト印象派の世界も見事に表現する、実に多彩な音楽性を持っている。言うまでもないことだが、モーツァルトも非常に個性的な作曲家だ。『String Quartet No. 15 in D Minor』の冒頭のささやくような問いかけとこれに対する堂々たる回答は、まさにエベーヌのドラマチックな表現を象徴するものであり、その鋭い感性はこのアルバムのすべてのパフォーマンスに通じている。彼らはモーツァルトの音楽の機微の一つ一つを生き生きと描き出し、ダイナミズムを見事にコントロールしながら楽曲の影の部分と光の部分を、切れ目なく、自在に行き来することができるのだ。『Divertimento in F Major』は、あらがえない魅力とウィットに富んだ演奏となっている。冒頭の和声が奇抜なものであることから“Dissonance(不協和音)”との異名を取る『String Quartet No. 19 in C Major』は、モーツァルトの後に続いたベートーヴェンの優雅さと真剣さにも通じるものを持っている。録音も実に鮮明で、おおらかで心のこもった演奏を見事に浮き彫りにしている。

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