100 Best Albums
- 1996年2月13日
- 27曲
- Greatest Hits · 1995年
- R U Still Down? (Remember Me) · 1997年
- Greatest Hits · 1998年
- All Eyez On Me · 1996年
- Greatest Hits · 1998年
- Greatest Hits · 1995年
- All Eyez On Me · 1996年
- All Eyez On Me · 1996年
- Greatest Hits · 1996年
- Greatest Hits · 1998年
必聴アルバム
- わずか5年足らずで終わってしまったレコーディングキャリアを通して、ヒップホップ史上最も複雑な人物こと2Pacは、私たちにたくさんの顔を見せてくれた。1993年の『Strictly 4 My N.I.G.G.A.Z.』では政治的な扇動者で、1995年の『Me Against the World』では内省的な日記作家だった。そして、亡くなった直後の1996年9月にリリースされたマカヴェリ名義の作品では、彼の神経質で短気な一面がうかがえた。しかしながら、ジャンルを代表する決定的なリリースであり、生前最後の作品となった『All Eyez on Me』に収録された27曲のほとんどは、ギャングスタラップのタフガイであり、1990年代のGファンクの王者の一人としての2Pacを紹介している。 哀愁が漂う感傷的でパーソナルな物語を歌った「Life Goes On」、あまりにも不道徳な「What's Ya Phone # (feat. Danny Boy)」、刺激的なストーリーテリングが見事な「Shorty Wanna Be A Thug」など佳曲ぞろいの『All Eyez On Me』。そして2Pacを1990年代ギャングスタラップのアイコンという地位を絶対的なものにした代表曲を挙げるなら「Ambitionz Az A Ridah」や「Picture Me Rollin' (feat. Big Syke, CPO & Danny Boy)」といった好戦的なアンセムになるだろう。
- 1991年のデビューアルバム「2Pacalypse Now」でソロとしてのキャリアを本格的にスタートさせ、1992年には映画出演も果たすなど、米国西海岸のシーンで着実に存在感を増していた2Pacが1995年に発表した通算3作目のオリジナルアルバム。全体としてはタイトル通りの世界に対する敵愾心(てきがいしん)を過剰なまでにあらわにしたような緊張感が漂っているが、ラブバラードの"Temptations"、母親のアフェニに捧げられた不朽の名曲"Dear Mama"のようなエモーショナルな佳曲も収録されていて、彼が提唱した凶暴を意味するサグな側面から攻撃的だったり、コンシャスで繊細だったりと単純には説明できない彼の複雑なパーソナリティに加え、それを豊かな表現力で描き出すラッパーとしての魅力を堪能できる内容に仕上がっている。本作はキャリア初の全米1位に輝いた作品だが、彼自身は完成後に実刑判決を受けてリリース時には服役中だったために、その知らせは獄中で聞いたというエピソードも残っている。
アルバム
アーティストプレイリスト
- 今なお世界中で生き続ける彼のリリック。その溢れ出る才能を堪能する。
- 1990年代のラップアイコンの豊かな表現力と確かなスキルを味わい尽くす。
- まっすぐなリリックとパワフルなフロウスタイルを受け継いだアーティストたち。
- 西海岸ヒップホップシーンにおけるアイコンの、豊かな感性を育んだルーツを探る。
シングル&EP
ベストアルバム、その他
- 1998年
参加作品
2Pacについて
2Pacは間違いなく、史上最も影響力を持つラッパーだ。実際のところ彼という存在は、今は亡きライバルのノトーリアス・B.I.G.よりも、むしろジミ・ヘンドリックスやボブ・マーリー、ジェームス・ディーンといった神格化されたアイコンたちに近いといえる。2Pacの伝説には真偽が明かされていないものもあるが、今も彼の音楽を聴けばその多才ぶりがはっきりと分かるだろう。1971年にLesane Parish Crooksという名前で生まれた2Pacは、生後間もなく政治組織であるブラックパンサー党のリーダーだった母親により、スペインの支配に対抗したインカ帝国最後の王にちなんでトゥパック・アマル・シャクール(Tupac Amaru Shakur)と改名された。2Pacはキャリアを通じて革命的で反体制的な姿勢を体現し、「Trapped」(1991年)や「Keep Ya Head Up」(1993年)といった楽曲は、アフリカやアフリカをルーツにする文化を中心に置くアフロセントリックの思想や意識が高まった1990年代初頭の時流にフィットした。さらに「I Get Around」(1993年)ではファンカデリックの使い手、「Me Against the World」(1995年)では孤高の一匹狼、「Hit ‘Em Up」(1996年)では荒々しい戦士、「Brenda’s Got a Baby」(1991年)では繊細な詩人という一面も見せた。そしてギャングスタラップを代表するDeath Row Recordsが1990年代半ばにシーンを席巻するにつれ、2Pacは同レーベルの代名詞となった。もともとMCニューヨークと名乗っていた2Pacは、南部はもちろんのこと東海岸と西海岸のエッセンスを融合し、普遍的なメッセージとサウンドを発信した。その影響力は、サハラ以南諸国でも2Pacが描かれたストリートアートが見受けられるほどだ。だがわざわざ遠くまで行かずとも、彼の影響は目にすることができる。早すぎる死から四半世紀が経った今もなお、2Pacの血脈はリル・ウェインからケンドリック・ラマー、フューチャーにいたるまでの、あらゆるアーティストに宿っているのだから。
- 出身地
- Harlem, NY, United States
- 生年月日
- 1971年6月16日
- ジャンル
- ヒップホップ/ラップ