10-FEET
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10-FEETについて

10-FEETが鳴らすパンクロックには人間味があふれている。メンバーはいつもひょうひょうとしていて、たまに関西人らしいジョークを言っては朗らかに笑う。そんな男たちの歌の根底には喜怒哀楽が流れ、エモーショナルな叫びがたくさん聞こえてくる。

1997年、京都で結成。10-FEETの出発点にはメロコアがあり、どの曲もたった3人の手で爆音が鳴らされる。疾走感があふれ、メロディアスな楽曲は一緒に歌っても気持ちがいい。しかし歌詞を口ずさんでみると、歌われている感情が胸に刺さるほどリアルなものだと気付くだろう。優しさ、喜び、悲しみ、別れ、絶望…そして希望。感謝の思いや、愛する気持ちだって歌われている。彼らの曲にはこうしたテーマが多く取り上げられる。これは地元である京都の鴨川を見つめながら書かれた初期の代表曲「RIVER」(2002年)をはじめ、「蜃気楼」(2012年)や「ヒトリセカイ」(2017年)といった人気ナンバーにも当てはまる。絵空事や夢物語でなく、日常の中での切実な思い、感情に向き合う。バンド屈指のアンセム「その向こうへ」(2011年)には、そうしたさまざまなことをひっくるめて、その向こう側まで越えていこうじゃないか、という強いメッセージが込められている。おそらくこれらの歌にはソングライターであるTAKUMA(Vo/G)の生きる上での価値観が反映されているのだろう。

そんな歌の世界だから、このバンドのライブで演奏に合わせて叫びながらつい感極まってしまったというファンは多いはずだ。10-FEETはパンクバンドらしくライブを中心にした活動を身上としていて、そのパフォーマンスへの評価は高い。そして彼らの演奏でその場が沸騰するように熱くなりながら、常に一体感が共有され、そのすべてが終わった時にオーディエンスの誰もが笑顔になっているのは、どこからか心に溜まったものを解放できるからではないだろうか。

また、地元で主催する大型の野外フェスティバル「京都大作戦」についても忘れてはならない。長年にわたって続けられているこのフェスティバルは、出演バンド同士の交流や共演の場になったり、若手にとってはチャンスをものにする機会になったりと、ファンはもちろんのこと、出演者側からも大いに楽しみにされている。初夏という時節柄、天候によって中止になることも多いが、それ故のドラマも多数生まれている。そしてこのフェスティバルを通じて10-FEETがバンド界隈からリスペクトを集めているのは、ひとえに彼らの人間性によるところが大きいのだろう。

3人は今日もステージに立ち、轟音のパンクロックを鳴らし、心の内側を吐露した歌を叫んでいる。その合間にメンバーが見せるのは、やはり柔和な笑顔だ。日々の中で、日常の風景で響き渡る、人間くさいパンクロック。ここで活力をもらえたリスナーは、きっと明日も生きていける。心の中に優しさを携えながら。

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