

1982年~1985年に制作されたCM音楽などを集めたアルバム。いずれの曲もこの時代の彼の音楽性を色濃く反映しており、その多種多彩で豊かなオリジナリティに彩られたサウンドは、まさに細野の面目躍如といえる仕上がり。アルバム「フィルハーモニー」と同時期に録音された"Sayokoskatti"は、細野流テクノとアストル・ピアソラ的なタンゴの出会いが不思議な感動を呼ぶ。また、ノスタルジックな"Normandia"は、クライアントの要望によりオリエンタリズムを取り入れた結果、坂本龍一的なサウンドとなった。本作を含めた4作の"観光音楽"と呼称されるインストアルバムは、穏やかで強靭な実験性に満たされた特別な魅力を放っている。