2019年 ラップライフ

2019年 ラップライフ

「あれはダベイビーじゃない、私のベイビーよ(That aint DaBaby, that's MY baby)」と、"Blank Blank"のイントロで色気のある女性の声が聞こえてくる。そして、ダベイビーの痛烈なフロウが炸裂する。「あいつは目覚まし時計みたいだ/テメェらクソ野郎に警音を鳴らしてる。俺こそが綺麗なチョコレート色の、史上最強のヤツだってな(That muthafucka sound like a muthafuckin' alarm clock or some shit, you know?/It's alerting you bitch-ass n*ggas that I'm the muthafuckin' best, the prettiest chocolate n*gga alive)」。2018年末に"Blank Blank"がリリースされた時、彼は飾り気を前面に押し出したキザで気取ったラッパーとして知られていた。しかし、一年を経て、シーンでも屈指の、引っ張りだことなったノースカロライナ州出身のラッパーは、幅広い成功を収めたアルバムを2枚も持ち、また国民的テレビ番組では、数々のヘッドラインを飾ったパフォーマンスを披露。彼は決して侮ることができない、内に秘めていたスター性を認めざるを得ない存在となった。 2019年にダベイビーほど広く受け入れられ、インパクトを与えたヴォイスは数少ない。彼はラップライフのリスナーたちの欲求に応え、ニッキー・ミナージュ、リル・ベイビー、チャンス・ザ・ラッパー、Megan Thee Stallion、Dreamvilleクルーらともコラボレーションを果たした。そのハスキーで温かみのある声は、今ではカーステレオやクラブのスピーカーから頻繁に聴こえてくる。ラッパーとしてスターダムにのし上がるために、ハンサムであることは必須条件ではないが、そのきれいな茶色い肌や一貫してシャープなラインアップ、そしてトレードマークである百万ドルの笑顔(ダベイビーの前歯には、すべてダイアモンドが施されている)もまた、彼の華々しい躍進に一役買った。だが、私たちの注意を引き続けたのは、あくまでもダベイビーのラップだ。彼はスタジオで過剰なプロダクションを施した、今流行りの歌のようなラップは決して披露しない。学校のランチタイムでバカうけする、ため息が聞かれるような身近なものだ。それにより、ダベイビーはもはや学生ではなくなった。この一年を経て、彼は教師に近づいたのである。

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