もともとはソングライターとしてキャリアをスタートさせたフランク・オーシャンが注目を集めたのは、LAで Tyler, the Creator を中心に結成されたヒップホップクルー、Odd Future に2010年に加入してからのことだ。その後発表したフリー音源が反響を呼ぶと、Beyoncé やジェイ・Z 、Kanye West といった大物と立て続けに共演を果たして大きな話題となった。満を持して発表したソロ作品でも、アブストラクトなトラックの上を浮遊するようなクールな歌声でリリカルな世界感を繊細に描き出したことも記憶に新しい。2016年のアルバム「Blonde」では、映像/雑誌/配信を巧みに使った実験的なアプローチを展開。R&Bのみならず最も時代の先端を行くアーティストと言えるだろう。