驚くほど自然かつ滑らかに、邦楽と洋楽の垣根を越えたスタンダードポップを生み出し続ける3人組。高橋海（Vo/Key）、田口恵人（B）、高橋健介（G）が前身バンドの解散に伴い、新たな活動の場としてLUCKY TAPESを結成したのは2014年。1970年代ソウルミュージックやサーフポップ、AORなどを21世紀インディーポップ的な解釈で捉え直し、また日本のシティポップが海外で再評価されていた機運ともシンクロするように、キャッチーで音楽的にも豊穣なスタイルを打ち立てた。慌ただしく変化し続けるトレンドとは一定の距離を置きながらも、巧みに時代の風を捕まえる柔軟性がLUCKY TAPESの持ち味だ。2018年にはEP『22』でメジャーデビューを果たし、アルバム『dressing』（2018年）には韻シストのMCを迎えた「COS feat. BASI」や、「Lonely Lonely feat. Chara」といった甘い官能が漂う共演曲を収録。また『Blend』（2020年）では、音数に頼ることのない洗練されたサウンドの中から、独自の美意識を立ち上らせた。シーンを選ばない普遍的なスタイルは、ライブイベントやフェスにおいても大きな信頼を寄せられている。