100 Best Albums
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- 2016年4月23日
- 13曲
- Dangerously in Love · 2003年
- The Fame Monster (Deluxe Edition) · 2009年
- COWBOY CARTER · 2024年
- TEXAS HOLD 'EM - Single · 2024年
- I AM...SASHA FIERCE · 2008年
- I AM...SASHA FIERCE · 2008年
- 4 (Expanded Edition) · 2011年
- B'Day (Deluxe Edition) · 2006年
- I AM...SASHA FIERCE · 2008年
- RENAISSANCE · 2022年
必聴アルバム
- ユニークで、強くて、セクシー。Beyoncéはアルバム『RENAISSANCE』を聴いた人に、そんな気分になってほしいと考えている。パンデミックのさなかに制作された通算7作目のソロアルバムは、自由の祝典であり、ハウスやダンスにどっぷり没頭した作品だ。全16曲を通して、解放、自由化、自己肯定感、みなぎる自信といったテーマを支える完璧なサウンドが提供されている。『RENAISSANCE』は遊び心とエネルギーにあふれ、“給料をもらったばかりで何でも起こりうる金曜の夜”のようなフィーリングを捉えており、他人の期待による重圧から解き放たれ、自分らしさをまっとうすることを繰り返し訴える。 Robin sのクラシックな4つ打ちハウスのムードとビッグ・フリーディアのサンプリングをまとったリードシングル「BREAK MY SOUL」から、グレイス・ジョーンズのアフロテックとTemsがフィーチャーされた「MOVE」、そして、ローラーディスコを感じさせるファンキーな「CUFF IT」まで、本作はまるでリスナーを魅了するごちそうのようなアンセムが詰まった、壮大かつ優雅に構成された音のビュッフェだ。 アルバムには穏やかな時間も流れている。「私と居ると、どうしてもありのままのあなたが出てしまうんだね(I know you can’t help but to be yourself around me)」と歌う「PLASTIC OFF THE SOFA」は、夏のバーベキューにお似合いの、耳元でささやくような温かいラブソングだ。ここではギターとボーカルの複雑な相互作用によって、Beyoncéの素晴らしいボーカルスキルが存分に発揮されている。また「CHURCH GIRL」では、R&B、ゴスペル、ヒップホップを融合させたサバイバーの物語で、「ようやく反対側に出られた(I'm finally on the other side)/やっと飛び切りの笑顔を見つけた(I finally found the extra smiles)/私たちが流した涙の海を泳いできたの(Swimming through the oceans of tears we cried)」と歌う。 ブラックネスへの明確な賛辞である「COZY」は、一人の女性のマントラだ。Beyoncéはサビの部分で、「私は自分の肌が好き(Comfortable in my skin)/自分らしさが心地いい(Cozy with who I am)」との思いに浸る。さらに「PURE/HONEY」では、ボールルームの文化にたっぷりつかり、ドラッグパフォーマンスのチャントとKevin Avianceのサンプルを組み込んだ前半から、ディスコ調の後半へと移行し、この曲を揺るぎないダンスフロアの定番へと導く。それは、アルバムを締めくくる「SUMMER RENAISSANCE」への完璧な序章であり、ドナ・サマーの「I Feel Love」が奏でる夢のようなディスコをさらに未来へと推し進めるものだ。
- ジャンルを超越した魅力を持つBeyoncéによる6作目のアルバムは大ヒットを記録した。このアルバムには、作品が内包する精神的影響や文化的影響力がよく分かる、大事な瞬間がある。それはケンドリック・ラマーをフィーチャリングし、市民権運動時代の囚人の歌をサンプリングした怒涛のエンパワーメントアンセム「Freedom」の終盤に訪れる。高齢女性の声がカットインし、「人生は山あり谷ありだったが、いつも私は内なる力を振り絞って自分を奮い立たせている(I had my ups and downs, but I always find the inner strength to pull myself up)」と語る。「レモンしか与えられなくても、レモネードを作ってきた(I was served lemons, but I made lemonade)」 それはBeyoncéの夫であるジェイ・Zの祖母ハティ・ホワイトが、2015年に迎えた90歳の誕生日に行ったスピーチだった。1本の映像作品とソマリア系イギリス人の詩人ワーザン・シャイアによる言葉と共にリリースされた急進的な本作のコンセプトは、この祖母のスピーチにインスピレーションを得たものだと報じられている。アルバムも映像作品も、Beyoncéのアイデンティティやナラティブ(彼女の女性性、黒人性、結婚)と深く結びついており、キャリア史上最も赤裸々な作品となっている。 当然ながら、こうした細かい部分が人々の共感を呼び、それぞれの楽曲を際立たせている。作品全体は猛烈で、反逆心にあふれ、怒りをたぎらせつつも繊細で、実験的。骨太で、勝ち誇り、ユーモラスで猛々しい。世間の目が光り、プライバシーが犠牲にされる時代に、決然と自己主張するこのアルバムは予告もなくリリースされた。また同時に、驚くほどタフだ。Beyoncéでさえも、涙にむせびながらも「勝者は決して自分をあきらめない、だから私もひたすら走り続ける(I’ma keep running ’cause a winner don’t quit on themselves.)」と声を上げ、内なる自分を呼び覚まさなくてはならないのだ。桁違いにパワフルな歌詞、声、演奏、そして人間性が、Beyoncéに対する世間の見方を単なるレジェンドから、実寸大のスーパーヒーロー的な存在へと押し上げた。 『Lemonade』はどこをとっても検証と賞賛に値する。「Sorry」では自分に厳しく、「Formation」では政治観をのぞかせ、ジェイムス・ブレイクやKaren Oらとのコラボレーションで創作面でもレベルアップした。だが音楽面でのクライマックスを意図した曲はおそらく「Don't Hurt Yourself」だろう。Led Zeppelinの楽曲をサンプリングし、ジャック・ホワイトとデュエットしたサイケロックだ。曲の最後にビヨンセは不気味な静寂の中「「これは最後の警告(This is your final warning)」と告げる。「またバカなことをしようとすれば/妻を失うよ(If you try this shit again/You gon’ lose your wife.)」 と。そしてジャック・ホワイトがそれを支えるように言葉を重ねる。「自らを神として愛しなさい(Love God herself)」
- Beyoncéの通算5作目となる本アルバムのリリースは、一種の事件だった。トップスターの大作は、長期間の周到なプロモーションを経て発表されるという通例を打ち破り、『BEYONCÉ』は一切の予告もなく突如2013年の12月、iTunes Storeに登場したのだ。しかし『BEYONCÉ』がどのように発表されたとしても、同作は彼女のキャリアにおける記念碑的な一作となったに違いない。Beyoncéは収録された14曲を通して、芸術的にも感情的にも自分の限界を押し広げることに成功した。その力強い歌声とサウンドの多様性を発揮した曲の中で、彼女は不安やセクシュアリティ、幸せについて、個人的なことも恐れず赤裸々に表現している。 ポップのサウンドは2010年代に入って大きく変化した。Beyoncéや他のR&Bアーティストがラジオやチャートを支配していた2000年代から一転、エレクトロポップの影響を受けた楽曲が台頭し始めていた。Beyoncéは本作でエレクトロポップやロックを背景に持つプロデューサーを新たに起用し、自身のコンテンポラリーなR&Bとエレクトロニックサウンドの大胆な融合を実現。時代性を巧みに取り入れながら、今なおポップシーンの頂点に君臨し続ける存在であることを証明した。 ドレイクをフィーチャーした「Mine」や、Pharrell Williams、フランク・オーシャンとタッグを組んだ「Superpower」など、時代の先端を行く豪華なコラボレーションも本作の聴きどころの一つだ。しかし、そうしたポップシーンのトレンドを意識しながらも、音楽的に先鋭であろうとするBeyoncéの意欲が、本作を唯一無二のアルバムたらしめている。Beyoncéにとって大きな転機であり、彼女独自のポップのスターダムを定義することとなった。
- 自身や夫ジェイ·Z、母親の誕生日であり、結婚記念日でもあるという、Beyoncéにとって最も重要な数字の「4」をタイトルに掲げたソロ4作目。前作「I Am... Sasha Fierce」と比べて格段にポップ性を増したキャッチーなサウンドにより、彼女のヴォーカルもよりはつらつと聴こえる。挑戦と変革をテーマにした本作に迎えられたプロデューサー陣は、テリウス·ナッシュ(ザ·ドリーム)、Diplo、Switch、Shea Taylor、ベイビーフェイスなど。Beyoncé自身も全曲に関わり、スリリングなポップサウンドを展開。"Run The World (Girls)"に代表される、全世界の女性たちへの賛歌を意気高揚と歌い上げる。
- 2003年のソロデビュー作『Dangerously in Love』のためにDestiny’s Childの活動を休止した時、Beyoncé Knowlesは必ずしも大きな商業的リスクを負っていたわけではなかった。グループはその2年後まで解散こそしなかったが、Beyoncéは話題の映画に出演したり、後に夫となる超有名なボーイフレンドのジェイ・Zと「03’ Bonnie & Clyde」でコラボレーションしたりと、すでに他のメンバーを上回る人気を博していたのだ。しかし、彼女はその能力をさらに広げてみせた。ジェイ・Zを客演に迎え、シャイ・ライツの曲をサンプリングしたシングル「Crazy in Love」は、その年のR&Bを再定義したと言っても過言ではなく、それまでの彼女がグループのメンバーとして成し遂げた何よりもワイルドで、挑戦的で、不朽の名曲だった。それは、その後の彼女が十二分に果たしてきた意思の表明だったのだ。 世界的にヒットしたのは「Crazy in Love」だけではなかった。「Baby Boy」では、Beyoncéの存在感とパフォーマンスが、時のダンスホールキングだったショーン・ポールの魅力と化学反応を起こし、「Crazy in Love」に匹敵する商業的成功を収めた。「Naughty Girl」は、引用されたドナ・サマーの「Love to Love You Baby」が徹底的な説得力をもたらし、過去のソウルとダンスミュージックの偉大さを取り込みながら、全く新しいものへと変換してみせた。彼女は、“ディーバ”を目指す他のアーティストたちが犯した失敗を避けながら、スタイルの違いを区別し、バラードのためにもたくさんの時間を割いた。その際たる例は、アルバムの完成度を高めるのに役立った、元はDestiny’s Childのアルバム収録曲だった「Dangerously in Love 2」や、大物R&Bシンガーであるルーサー・ヴァンドロスと共演した「The Closer I Get to You」だろう。 Beyoncéのディスコグラフィの中で『Dangerously in Love』の影が薄いのは、むしろ彼女が手の届かないほどのスターとしてのパワーで境界線を押し広げ、ポップスターへの期待を覆したことを物語っている。その後の各ソロプロジェクトは、同時にさまざまな方向へと進み、彼女は“ポップスター”という肩書きですら適切とは思えない存在となった。しかし、自信を持って最初の一歩を踏み出さなければ、その旅は何一つ実現不可能だったはずだ。
- 2024年
- 2022年
- Destiny's Childから『RENAISSANCE』まで、女王の座を確立したヒット曲の数々。
- 美しく、強く、そして、たくましい。世界最強ディーバのあふれ出る魅力を映像で。
- Beyoncéによる『RENAISSANCE World Tour』のセットリストを聴こう。
- どんなワークアウトでも乗り切るパワーを与えてくれる、アップテンポなサウンド。
- 初ソロ作から愛娘との共演まで、時代を代表する歌姫の魅力をディープに楽しむ。
- 時代のアイコンが示した新しい価値観と豊かな多様性を体現するアーティストたち。
ベストアルバム、その他
- ロナルド・アイズレー & アイズレー・ブラザーズ
- J. バルヴィン & Willy William
Beyoncéについて
- 出身地
- Houston, TX, United States
- 生年月日
- 1981年9月4日
- ジャンル
- ポップ