

初期ナイアガラレーベルにおけるソロ作の最高峰との呼び声も高い4作目アルバム。暦の12か月それぞれをテーマに曲を並べる構成はニール・セダカの「カレンダー・ガール」の歌詞から思い付いたそうで、各曲の曲調やサウンド、そしてボーカルスタイルも変えているほどのこだわりだ。幕開けを明るく飾る1月の曲は「Rock'n' Roll お年玉」で、ロックンロールのスタンダード曲を連想させるビートナンバー。スローな「Blue Valentine's Day」は好きな相手からチョコがもらえずに悲しむ男の失恋ソングだ。コーラスにシンガーズ・スリーを従えた「五月雨」は過去曲のリアレンジ版で、先行シングルの「青空のように」は「夢で逢えたら」の男性版と、自身のレパートリーも有機的に登場。さらにサーフィンミュージックにささげる「真夏の昼の夢」、レゲエ歌謡「名月赤坂マンション」などを経て、大団円はクリスマスから年末、そして再び正月へと突き抜けていく。お得意のコミックソングがたっぷりで、効果音も多数盛り込んだにぎやかなアルバム。全体にみなぎるこの躍動感、そして型破りな発想こそ、大滝詠一というアーティストの核となる部分だろう。