

1960年代と1970年代において、フィル・スペクターやザ・ビーチ・ボーイズのBrian Wilsonといったプロデューサーが有能なスタジオミュージシャンを必要としたとき、声を掛けるのがThe Wrecking Crewだった。ロサンゼルスを拠点とし、メンバーには後にカントリーのスターになるグレン・キャンベル、多才なドラマーのハル・ブレイン、腕の確かなベーシストのCarol Kayeらが名を連ねる。彼らは、遊び心のあるサイケデリックロックからライトなガールズグループのプロダクション、そして豊かで洗練されたカリフォルニアポップまで、“ビートルズ後”における音楽チャートを鮮やかに彩った。何よりThe Wrecking Crewは、精巧な音楽に感情的な深みをもたらす技術に長けた達人だったといえるだろう。