チェコの作曲家

チェコの作曲家

チェコは16世紀の初頭以降、300年以上にわたってハプスブルク帝国とオーストリア=ハンガリー帝国の支配を受けた。つまりルネサンス期からロマン派にかけてクラシック音楽が大きく発展し多様化していった時代に、この地におけるクラシック音楽はこれらの帝国の影響下にあったわけだ。これに対し、19世紀のチェコでは民族主義が勢いを増し、独立への機運が高まっていく。この動きに呼応するように作曲家たちも民族主義的な表現による新たな音楽を生み出していった。現在のチェコ共和国の西部にあたるボヘミアからはスメタナが現れ、国民楽派を先導。これに続いたのが同じくボヘミア出身のドヴォルザークだ。ボヘミア楽派とも呼ばれる彼らは、民族音楽のエッセンスをクラシックの様式の中で輝かせ、チェコ独自の音楽を確立した。またチェコ東部のモラヴィアからはこの地の民族音楽に深い造詣を持つヤナーチェクが登場し、チェコのクラシック音楽の魅力をさらに広げていった。