ポーランドに生まれ、オーストリアやフランスで活躍したピアノの詩人、フレデリック・ショパン。ロマン派を代表する作曲家である彼の創作は、自身が高名なピアニストだったこともあり、大半がピアノのために書かれている。彼の最大の功績は、当時発展途上だったピアノの可能性を引き出しながら、祖国の音楽に基づいた独自の音楽を確立したこと。異国を転々とする中でも愛国心を失うことなく、民俗音楽を題材にしたポロネーズやマズルカを数多く残したことは、その好例。恋人の作家、ジョルジュ・サンドを通して出会ったさまざまな芸術家からの刺激を、優れたピアノソナタなどの作品群に反映させた。