

2017年6月に逝去したイギリスの指揮者、サー・ジェフリー・テイト。ケンブリッジで学び、医学の道から音楽へと転身した異色の経歴の持ち主。音楽教育を短期間ロンドン・オペラ・センターで受けたあと、コヴェント・ガーデン王立歌劇場の練習指揮者に就任し、その後ヘルベルト・フォン・カラヤンらのもとで副指揮者を務めた。1985年に首席指揮者となったイギリス室内管弦楽団と、ピアニストの内田光子とのヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトのピアノ協奏曲全集では、輝かしい名演を残した。プレイリストではその定評あるモーツァルトをはじめ、古典派から現代音楽までの幅広いレパートリーを楽しむことができる。誠実で知性的な人柄がにじみ出るような、安定した美しい管弦楽の響きをじっくり味わいたい。