TK from 凛として時雨

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TK from 凛として時雨について

こんなにも深く、繊細なものなのか。凛として時雨の中心人物、TKがソロプロジェクトとして発信する音楽に触れれば、そのセンシティブな世界に強く引き込まれるに違いない。

2011年に始まった、TK from 凛として時雨名義での活動で表わされる彼の世界観は、母体のバンドでの激しく爆発するようなサウンドと一線を画すものだった。そこにあったのは、例えば「unravel」(2014年)に象徴される繊細さや美しさ、あるいは透明感だ。テクニック面では「蝶の飛ぶ水槽」(2020年)のように打ち込みを駆使したり、「katharsis」(2018年)のようにピアノやストリングスも導入したりと、大胆なアプローチを厭(いと)わない。また「melt (with suis from Yorushika)」(2019年)が代表例だがゲストを招くことにも積極的で、その結果、ポストロックからダンスミュージックまでジャンルの壁を飛び越えるような音楽性が実現された。ソロではバンドという形態にとらわれる必要がなく、TK自身が言う通り、制約のない中で表現に向かうことができているのだろう。楽曲によってはしっとりとした感触すらあり、それでいながら内省的な何かを感じさせる音と歌は鮮烈で、バンド時代からのファンには驚きと共に迎えられた。以後の彼は、前述した「unravel」のようにアニメのテーマソングなども手掛けながら、中にはエモーショナルな表現も行うなど、作品を追うごとにソロとしての場を確立していった。そのサウンドの深淵さは、このアーティストの底知れぬ才能を感じさせてくれる。