OZworld

どこまでもストリートでありながら、スピリチュアル。ある時には自然に、ある時には強く主張しながらアーティスティックな世界観を巧みに描き出す個性派ラッパー、OZworld。地元である沖縄の豊かな自然や文化から強いインスピレーションを得ながら、ヒップホップならではのストリート感あふれるボキャブラリーで表現する。OZworldはそんな離れ業を絶妙なバランスで実現して、個性派ぞろいのヒップホップシーンでも一際強烈な存在感を放っている。もともと高校生年代のフリースタイルMCバトルの大会でシーンに鮮烈に登場し、その後も楽曲制作バトル番組に出演してラッパーとしての確かなスキルを見せつけていたが、持ち前のユニークなビジョンが全面的に披露されたのは2019年にリリースしたデビューアルバム『OZWORLD』だった。さながらダークファンタジー映画のような神秘的で壮大なサウンドスケープを展開して、底知れないポテンシャルを秘めたアーティストであることを強烈に印象付けた。2010年代以降のフリースタイルMCバトルの隆盛の中で多くのタレントがヒップホップシーンに現れたが、その中でも突出した個性とセンスの持ち主だ。