シニカルな視点を交えたストーリーテリングと、ヒップホップの枠組みを逸脱したサウンドを志向するシンガーソングライター／トラックメイカーのMom。高校生の時に作曲を始め、大学時代の2018年にファーストアルバム『PLAYGROUND』を発表した。本作ではすべての楽曲をGarageBandで制作し、インディーロックのDIYな発想とローファイヒップホップが渾然（こんぜん）一体となった“クラフトヒップホップ”を提唱している。2019年のセカンドアルバム『Detox』ではありのままの自分を投影し、サードアルバム『21st Century Cultboi Ride a Sk8board』以降は自身の心情をストーリーテリングに託すスタイルを確立。現代社会をシニカルに描きながら、日々の生活に真摯（しんし）に向き合う彼のスタンスは、音楽の消費にあらがうように、ボーカルとラップ、メロディとリズムの比重を自在に変化させるオルタナティブなサウンドアプローチにも色濃く反映されている。目覚ましい内面の成長と音楽性の進化を糧に、Momは前進を続ける。