最新リリース

- 2025年10月10日
- 11曲
必聴アルバム
- ロキシー・ミュージックとしてのデビューからアンビエント/ミニマルミュージックの先駆者としてのソロ、そしてプロデューサーとしても幅広い活躍を続けるブライアン・イーノの1984年リリース作。「Ambient 2: The Plateaux of Mirror」以来のハロルド・バッドとの共作となった本作は、シンプルな音階でミニマムな音数を用いて、柔らかいベールに包まれるような浮遊感を生み出すバッドのピアノがいきた傑作。"Late October"のゆったりしたフェードインで幕を開け、静かな水面に広がる波形を想起させるエコーや淡く繊細なリバーブのテクスチャーが幾重にも重なり合っていく。さりげなく道筋を付けるダニエル・ラノワのプロダクションも光る。
- アンビエントミュージックのオリジネーターとしても知られるブライアン・イーノが1983年にリリースした作品。もともとNASAが所有する月への有人飛行実験"アポロ計画"の様子を収めた映像をまとめた同名記録映画のサウンドトラックとして依頼された作品で、映画はその後ナレーションを加え、編集し直されて1988年に『宇宙へのフロンティア』へと結実した。実弟のロジャー・イーノ、ぺダルスティールギターでダニエル・ラノワも参加し、ゆらめくようなカントリー風の世界観もあいまって、遠く輝く地球を懐かしむかのような不思議な浮遊感をたたえた名盤。1つの空間そのものを提示するような広がりと奥行きのある無重力作品で、"Always Returning"や"An Ending (Ascent)"など、テクスチャーとレイヤーの豊かなアンビエントの名曲を収録している。
- エリック・サティが提唱した"家具の音楽"から影響を受け、空気のように間断なく循環する"環境音楽=アンビエントミュージック"という新たな音楽ジャンルを創始したブライアン・イーノ。その第一弾として、空港という場所と目的にふさわしい音楽が作曲された。シンセサイザーやピアノ音、女性のヴォイスが録音された何10本ものテープループをランダムに再生/編集加工するという斬新な手法を考案、それによって得られる空間的広がりと音響的起伏が大きな特徴と言える。空港ロビーの騒音や人々の会話と共存しながら、飛行機の搭乗に起因するストレスを和らげる効果も考えられている。短期間ながら、ニューヨークのラガーディア空港で使用されていたこともある。
- 1977年にリリースされた5枚目のオリジナルアルバム。この後にアンビエントミュージックへと移行していく凛としたブライアン・イーノのヴォーカルが楽しめるアルバムとして、特に人気の高い名盤でもある。フィル・コリンズとパーシー・ジョーンズのBrand X組や、ロキシー・ミュージックからの盟友フィル・マンザネラ、ロバート・フリップにロバート・ワイアット、クラスターの2人やカンのJaki Liebezeitといった英独の精鋭たちが集結し、オープニング曲"No One Receiving"や"Kurt's Rejoinder"で聴ける異形のファンク+アフリカンリズムは、Talking Headsら、後の彼のプロデュースワークに応用され、ニューウェーブを象徴するキャラクターの一つを作り上げていくことになる。同時に"Julie With..."など、アンビエントへとつながる楽曲も収録。名曲"By This River"を含め、どこを切っても示唆に富んでいる。
- 1975年にリリースされたブライアン・イーノのサードソロアルバム。後の「Before and After Science」と並ぶ人気アルバムの一つで、本作発表前に彼が発想したアンビエントミュージックの萌芽を、随所に散りばめられたインストゥルメンタル曲からも感じられるだろう。フィル・コリンズ、パーシー・ジョーンズ、ロバート・フリップと、彼の初期作品に欠かせないメンバーのサポートにも恵まれ、ヴォーカル曲も感情を抑えた歌い口に静かな詩情が宿る。"St.Elmo's Fire"、"I'll Come Running"といった知的なポップ曲、ミニマルな"Golden Hours"、ロバート・フリップのギターが背景をたなびく"Everything Merges With the Night"といった歌曲が絶妙なアクセントとなっている。ポップからプログレッシブロックとアンビエントをつなぐ橋渡しのような重要作といえるだろう。
- ブライアン・イーノはソロデビュー時から異才を発揮していた。音楽的な方向性から通常は共演があり得ない16人のミュージシャンを集めてグループに振り分け、ある指示のもとで即興演奏をさせるという実験をベースに本作を構想。トリートメント/ミキシングの作業を重視し、最終的なサウンドのテクスチャーと音色はユニークかつポップな仕上がりになった。根底にあったのはテクノロジーに依拠したコンポーザーという自己認識とテープレコーダー=楽器という斬新な発想。鼻に抜けるような彼のヴォーカルも意外にチャーミング。グラムロッカーのムードを残した"Baby's On Fire"、奇抜なシンセサウンドに彩られた賛美歌"Some of Them Are Old"などは、経年劣化を感じさせない魅力がある。
アーティストプレイリスト
ベストアルバム、その他
参加作品
- Together For Palestine, Nai Barghouti, リー・アン & ネナ・チェリー
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ブライアン・イーノについて
- 出身地
- Melton, Suffolk, England
- 生年月日
- 1948年
- ジャンル
- エレクトロニック