先行リリース
- Classical Masterpieces - Wolfgang Amadeus Mozart: Horn Concerto No. 1 & Symphony No. 41 "Jupiter" · 2021年
必聴アルバム
- 北欧ノルウェーの幻想的で希望に満ちた日の出を描写したグリーグの名曲『Peer Gynt Suite No. 1(ペール・ギュント組曲第1番)』の「Morning Mood(朝)」で始まり、マーラーの『Symphony No. 5(交響曲第5番)』の優しくも悲痛な第4楽章「Adagietto(アダージェット)」で幕を閉じる本作は、限りない広がりを持つクラシック音楽の世界への完璧な入門書だ。そして、このアルバムは、空間オーディオでリマスタリングされたことによって、これまで以上に素晴らしいサウンドと共にリスナーを音楽的発見にあふれた夢のような旅へといざなってくれる。ここでは、「G線上のアリア」としておなじみのバッハによる『Orchestral Suite No. 3(管弦楽組曲第3番)』の「Air(エール)」や、ヴィヴァルディによる『The Four Seasons(四季)』から『Spring(春)』の第1楽章「Allegro」といった、宝物のようなバロックの名曲に出会える。モーツァルトによる『Eine Kleine Nachtmusik(アイネ・クライネ・ナハトムジーク)』の快活な第1楽章「Allegro」や、『Symphony No. 40』の冒頭を飾る止めどない急流のような第1楽章「Allegro Molto」、天才作曲家の最後の作品である悲劇的な名作『Requiem』の「Lacrimosa Dies Illa」は、永遠の輝きを放っている。そして、エルガーの『Pomp and Circumstance(威風堂々)』の第1番「Land of Hope and Glory」や、ロッシーニの『The Barber of Seville(セビリアの理髪師)』の「Overture(序曲)」、シベリウスの「Finlandia(フィンランディア)」、ワーグナーの『The Valkyrie(ワルキューレ)』の「Ride of the Valkyries(ワルキューレの騎行)」といった楽曲の忘れ難い旋律とオーケストレーションが有する活力や情熱も、決して衰えを感じさせることがない。この魅惑的なコレクションには、これらを含むクラシック音楽の悠久の歴史を彩ってきた50の名曲が収められている。そして、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団も、偉大な作曲家たちの思いに応えるべく、世界で最も多才かつ最も優れたアンサンブルの一つとしての実力を存分に発揮している。
- ウラディーミル・ユロフスキとロンドン・フィルハーモニー管弦楽団が数年間に渡って演奏し、ライブ収録してきた、チャイコフスキーの交響曲を全集としてリリース。「マンフレッド交響曲」や「弦楽セレナード」なども併録されている。ユロフスキは古典派とロマン派、それぞれの良さを巧みに引き出すバランス感覚を持ち、曲想が突然変化する箇所などですぐれた表現力を発揮する。楽譜に書き込まれたことを尊重しながらも、同時に独自の解釈を取り込み、自然体での音楽と、時に現れる非常に強烈な個性を混在させて、説得力あるチャイコフスキーを聴かせてくれる。
アーティストプレイリスト
参加作品
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団について
オーケストラが高い水準に至るのには何十年もかかる場合もあるが、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団は、当初から目覚ましい成果を上げた。1932年に指揮者のトーマス・ビーチャムによって創立された同オーケストラは、クイーンズホールで開催した最初のコンサートでオーディエンスを圧倒した。ビーチャムはこの日、当時のイギリス国内のオーケストラのレベルをはるかに超える技術と音楽性を提示したのだ。また彼自身のカリスマ性がベストな楽団員を集めるのに大いに役立ったこともあり、ビーチャムとロンドン・フィルハーモニー管弦楽団はコンサートとレコーディングで、第2次世界大戦の前までに国際的な名声を確立した。大戦直後の活動は困難であったものの、それぞれ1950年から1958年と1967年から1979年に首席指揮者を努めたエイドリアン・ボールトとベルナルド・ハイティンクの尽力が、オーケストラの高い芸術性を回復させた。また1930年代にビーチャムと共にオペラを演奏していた同楽団が、1964年にイギリスのオペラフェスティバルであるグラインドボーン音楽祭のレジデントオーケストラに指名されたことも、戦後の重要な展開の一つだった。この音楽祭での演奏が多くのビデオに残されたこともあり、ロンドン・フィルは2005年に独自のレコード会社を創設し、厳選されたライブコンサートの録音をリリースして高い評価を得ている。またSNSの台頭に対応して2021年にTikTokのアカウントを開設すると、瞬く間に54,000人を超えるフォロワーを獲得する人気ぶりを見せた。
- 出身地
- London, England
- 結成
- 1932年
- ジャンル
- クラシック