クリープハイプ
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クリープハイプ

クリープハイプについて

音楽の制作手段が多様化した時代に、ロックバンドという体制であることの本質的な意味を追究し続けながら、そのキャリアは築き上げられた。

クリープハイプは3人組のバンドとして2001年に結成されたが、メンバーの変遷を経て尾崎世界観(Vo/G)のソロプロジェクトとして活動していた時期もあった。サポートを務めていた長谷川カオナシ(B)、小川幸慈(G)、小泉拓(Dr)が2009年11月に晴れて正式メンバーとなり、以降はこの4人で活動を続けている。

生々しくドロドロとした人間模様の「影」の部分を抉(えぐ)り、そこからエモーショナルな物語を導き出す尾崎の作詞、作曲が次第に注目を集め、「蜂蜜と風呂場」「イノチミジカシコイセヨオトメ」「HE IS MINE」といった定番レパートリーの数々がインディーズ時代に発表された。2012年にアルバム『死ぬまで一生愛されてると思ってたよ』でメジャーデビューを果たし、初の全国ワンマンツアーも開催するが、派手な装飾や演出の一切を排した殺風景なステージに裸足で立ち、引き攣(つ)るようなハイトーンボイスで歌う尾崎の佇まいが異様な存在感を放った。

サウンド面においても、当時はソリッドに研ぎ澄まされた4ピースの音像にフォーカスしており、ある種の緊迫感がライブの興奮を裏付けていた。ムード次第で変化するテンポやコンビネーションをタイトに支える小泉のビートに、平然とテクニカルなフレーズを弾きこなす小川のギタープレイ。そして元々シンガーソングライターとしての一面を持つ長谷川は、自ら作詞、作曲とリードボーカルを担う楽曲でクリープハイプの表現にアクセントと奥行きをもたらす。

4人は歯に衣着せぬ表現で「ラブホテル」や「社会の窓」といったアンセムを生み出す一方、生活感に満ちあふれた映画主題歌「百八円の恋」や、受験生の孤独な格闘をテーマにしたCMソング「破花」などを通して人々の日常に寄り添ってゆく。また、尾崎は文筆業や俳優業においても個性と美意識を発揮し、半自伝的小説『祐介』と連動するように生み出されたクリープハイプのアルバム『世界観』では、収録曲「バンド」の中で皮肉混じりにバンド活動の喜びと必然を歌った。その後は、もともとのストイックなバンド表現に加え、より色彩豊かなサウンドやアレンジを獲得。尾崎が楽曲を手掛け、シーンを代表するシンガーたちと共にレコーディングしたことで大きな話題となった「栞」は、クリープハイプもセルフカバーをするなど大切なナンバーとなっている。

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