Surrender

Surrender

1990年代を象徴するキーワードに"ロックとダンスの横断"が挙げられるが、ケミカル・ブラザーズはまさにその権化のような存在だ。その彼らが1990年代の末にリリースしたのがサードアルバムとなる本作「Surrender」である。甲高いシンセサウンドとボコーダーヴォイスがレトロフューチャーな雰囲気を醸し出す"Music: Response"、高速BPMで往年のハードコアテクノを彷彿とさせる"Under the Influence"、ミドルテンポのファンキートラック"Orange Wedge"、オアシスのノエル・ギャラガーをヴォーカルに迎えた"Let Forever Be"、ピークタイムのフロアをロックするのにぴったりのレイブチューン"Hey Boy Hey Girl"など、彼ららしい色の楽曲が粒ぞろいに集まっている。荒削りながらも自分たちのスタイルを提示したファースト、その世界観をより深めていったセカンド、そして本作へと至り完成度に磨きがかかったという印象だ。