Somewhere Between

Somewhere Between

光と影のあわいを映すような、豊かで奥行きのあるサウンドスケープを描く4作目のアルバム。ソングライターのYuto Uchino(Vo/G/Syn)は、記憶や感情の移ろいをテーマに、過去、現在、未来の自分を行き来しながら新しい音の地平を切り開いた。自我の深層部に潜り込むような前作『Outer Ego』(2021年)に比べると、今作はより明るく、開放的な雰囲気をまとっている。ギターやサックス、ピアノの柔らかな音色が有機的に響き合い、シルキーな歌声が淡い心象風景を描き出す。Uchinoは、本作の核心とは「かつて世界を明るく希望に満ちたものとして感じさせてくれた『古い自分』を抱きかかえ、再びその輝きや驚きを見いだす」ことであると告げている。その旅の途中には、「Midair」のような凪(なぎ)の瞬間も、「Spiral」のような混沌とした瞬間もある。いずれも永遠に続くことはなく、すべては移ろう時間の中で形を変えていく。そして懐かしい匂いに満ちた「Home」を経て、かつての自分自身を取り戻す「Wonder Why」へ。そこには、時空を超えて響く音楽ならではの魔法が宿っている。