

「活動休止の発表と同時に、構想を練り始めました」。NulbarichのJQ(Vo)はアルバム『CLOSE A CHAPTER』についてApple Musicに語る。2024年2月に開催したライブで、Nulbarichは同年内をもって活動を休止することを発表。とはいえ、そこに暗い雰囲気はなく、休止することを「一旦しゃがむ」と表現したのもこのバンドらしかった。彼らは音楽の旅を止めるのではなく、いつかまた大きくジャンプするために「一旦しゃがむ」のだ。だから“本章を締めくくる”ことを示した本作は、遠い未来を見通すような晴れやかなムードに満ちている。 本作にはNulbarichに関わった流動的なバンドメンバーのほか、新しい顔ぶれとしてmabanuaが参加した。mabanuaと初タッグを組んだ「遊園」の歌詞は、JQの若かりしころの実体験を基に書いたといい、珍しく日本語を多用している。「chapter xxx (demo)」はその名の通りデモ音源を用いた楽曲で、ラフな歌声から制作現場の空気感が伝わる。そして“JQをフィーチャリング”したラストナンバー「Lights Out feat. Jeremy Quartus」では、ゆったりと落ち着いたムードの中にほんの少しの寂しさをにじませ、そっと“おやすみ”を告げてライトを消す。「こんなに過去を回想しながら今に落とし込んだことはなかったのでとても楽しい制作になりました。やりたいリストの詰め合わせ的な感じです」。いつになくJQの内面をダイレクトに表した本作について、ここからは彼に全曲の解説をしてもらおう。 Opening -intro- まさに今の心境というか、終わりなのか始まりなのか、楽しみなのか悲しいのか。色んな感情のOpeningです。 Believe It 結局全部背負って前に進まなきゃいけないけど、それをどういうふうに進むかを書きました。 遊園 プロデューサーのmabanuaさんが思うNulbarichを表現してくれた曲。最高です。歌詞は僕の過去の話。たくさん想像してみてください(笑)。 Don’t Waste It On Me ストレートな歌詞にメロウなトラック。個人的には色んなフィルターなしでストレートな曲にできました。この王道感が好きです。 Words これはいつか出したかったのに10年近く眠っていた曲。ということは、10年以上僕が好きなままの曲です。ぜひご賞味あれ。 chapter xxx (demo) これは未完成な過程をさらすという作品です。スタジオをウロウロしながら作り上げてる時のままで、ちょっと恥ずかしい。 Neon Sign 色んな顔を持っているのが僕らの面白さでもあり、この曲はファンク的な感じ。こういう曲がアルバムの栓閉め役だったりします。 DAY (Sunny Remix) もうずっと仲のいいプロデューサーSunnyとのRemix。彼の色褪せないビートが大好きです。 Mirror Maze これぞとばかりにプロデューサーmabanuaさんのマインドを覗けた曲。良いケミストリーが起きている気がします。この曲でいつか暴れてみたい。 Liberation 多様性と解放、今まさに世の中が向き合っているテーマだと思います。曲を作る過程で、自分に対してもいろいろ気づかせてもらった大事な曲。 Traffic Jam -skit- こちらはNulbarichの鍵盤ヤマザキタケルによる、アルバム最後の曲「Lights Out feat. Jeremy Quartus」の別解釈としての書き下ろしです。美しい。 Lights Out feat. Jeremy Quartus Nulbarichが僕自身を一人の人間としてゲストに招いた曲です。これが想像できてなかったら活動休止後、僕はいなくなってしまう。この形がイントロで整理できていなかった色んな感情の一旦の答えです。