Shostakovich: Symphonies 8⁠–10

Shostakovich: Symphonies 8⁠–10

ショスタコーヴィチという作曲家を、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団は頻繁には取り上げてこなかった。それだけにこの新しいアルバムでの交響曲第8番、第9番、第10番を歓迎するリスナーも多いかもしれない。演奏はパンデミックのさなか、限られた聴衆の前で収録されたもので、どの作品もベルリン・フィルの主席指揮者Kirill Petrenkoの手腕がさえ渡る。深い内容を持った第8番では、目を見張るほどの精密さと力強い表現が全体を貫き、小規模な第9番では、第3楽章で歯切れよく躍動する木管楽器が見事な演奏を聴かせる。圧倒的な力強さと存在感を放つ第10番では、特に第2楽章の「Allegro」が高い緊張感をもって演奏され、印象的だ。Petrenkoの一貫した説得力ある音楽観は注目に値するほどで、これらの交響曲のレコーディングにおいて、本アルバム以上の演奏を探すことはなかなか難しいだろう。

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