Abbey Road (2019 Mix)

Abbey Road (2019 Mix)

ビートルズとの共同作業で知られる伝説的なプロデューサー、ジョージ・マーティンの息子であり、現在ビートルズの貴重なカタログを管理している音楽プロデューサー、Giles Martin(ジャイルズ・マーティン)は、以前“ビートルズのアルバムの中で一番コンテンポラリーなサウンドの『Abbey Road』は、彼らの世界への完璧な入り口”とApple Musicに語った。それは真実だ。他のビートルズのアルバムが、そろいのスーツやモップトップ、ポップミュージックのフォームを使った中期の遊び心あふれる実験、あるいは、極彩色のサイケデリック、といった、タイムカプセルに閉じ込められた特定の瞬間を想起させるのに対し、『Abbey Road』のサウンドは、4人の極めて優れた才能を持つ人間たちが同じ場所に集い、ただただ永遠の名曲を次から次へと演奏している、という印象を与えるものとなっている。 11作目にして最後から2番目にリリースされたこのアルバムは、ビートルズの歴史的なカタログの中で、4人のメンバー全員がスタジオにそろってバンドとして録音した最後の作品だ。もちろん、彼らのアルバムから最もインパクトのある一作を挙げるというのはばかげた行為だが、1969年の『Abbey Road』が最もエバーグリーンで、世界を変えたバンドが創造性のピークに達した時に作り上げた完全無比の作品であることは間違いないだろう。 1968年リリースの『The Beatles (The White Album)』に続いて、この『Abbey Road』においても彼らの多様な音楽性が存分に発揮されている。「Here Comes the Sun」は明るく健全で、「Come Together」や「Polythene Pam」はやや奇妙、「Maxwell’s Silver Hammer」は親しみやすい曲調におぞましい内容の歌詞、「Something」は結婚パーティーのファーストダンスのようにロマンチックで、「Octopus’s Garden」や「Mean Mr. Mustard」はユーモラス、そして、アルバムの終盤には8曲16分の遊び心にあふれたメドレーが展開されるという具合だ。確かにバンドの終焉(しゅうえん)を目前に控え、ポップミュージックの歴史の中で彼らにしか成し得なかったダイナミックなコラボレーションの炎は消えかかっていたかもしれない。だがビートルズはその残り火の中で、彼らならではの比類なき創造性と連帯感によって決定的な名作を生み出したのだ。

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