Opus

Opus

偉大な音楽は、たとえそれを生み出したアーティストがこの世を去ろうとも、人の心を永遠に揺さぶり続ける。YELLOW MAGIC ORCHESTRAのメンバーとして国内外の音楽シーンに衝撃を与え、ソロアーティスト、映画音楽の作曲家として国際的に評価されてきた坂本龍一。先鋭性と普遍性が宿る彼の楽曲とサウンドはリスナーに広く愛されるだけでなく、同時代の多くの音楽家たちに多大な影響を与えている。2023年の3月に惜しまれつつ亡くなった坂本は、自身に残された時間が少ないことを悟っていた2022年の9月に最後のピアノコンサートを敢行する。東京のNHK509スタジオで行われたパフォーマンスは、坂本の体力を考慮して1日に2、3曲ずつ撮影され、コンサート映画という形でオーディエンスに届けられた。本作はその音源を収録したもの。YMO時代の名曲「Tong Poo」から「Merry Christmas Mr. Lawrence」「The Sheltering Sky」、生前最後となったアルバム『12』からの楽曲「20220302 - sarabande」まで、全20曲を坂本がソロピアノで奏でている。ここには、音楽と共に生き、類いまれな才能で世界を感動させた坂本が、自身が去った後の世界に遺そうとした強く深い思いがある。

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