Here Come the Warm Jets

Here Come the Warm Jets

ブライアン・イーノはソロデビュー時から異才を発揮していた。音楽的な方向性から通常は共演があり得ない16人のミュージシャンを集めてグループに振り分け、ある指示のもとで即興演奏をさせるという実験をベースに本作を構想。トリートメント/ミキシングの作業を重視し、最終的なサウンドのテクスチャーと音色はユニークかつポップな仕上がりになった。根底にあったのはテクノロジーに依拠したコンポーザーという自己認識とテープレコーダー=楽器という斬新な発想。鼻に抜けるような彼のヴォーカルも意外にチャーミング。グラムロッカーのムードを残した"Baby's On Fire"、奇抜なシンセサウンドに彩られた賛美歌"Some of Them Are Old"などは、経年劣化を感じさせない魅力がある。