キース・ジャレットが精神的な安らぎと癒やしを求めて制作したソロアルバム。デビュー以来、過酷なスケジュールをこなし続けたジャレットは、1996年に心身共に限界を迎え、慢性疲労症候群という難病を患い、演奏活動の休止を余儀なくされる。本作は闘病中の1998年に録音された作品。スタンダードを中心に激しいアドリブはほとんどなく、メロディが一音ずつ慈しむように奏でられており、クラシックの夜想曲を聴いているような静かな時間が過ぎる。当初は発表する予定はなく、闘病を支えた妻、ローズ・アン・ジャレットにクリスマスプレゼントとして贈ろうと考えていたといい、録音はジャレットのプライベートスタジオであるCavelight Studioで行われ、彼自身がエンジニアも務めている。アルバムは1999年にリリースされ、それまでの作品とは一線を画する内容ながら、世界中で絶賛を浴びた。その後、ジャレットは演奏活動を再開し、第一線に返り咲く。
- 2014年
- 2018年