ライブのたびに新たなアレンジを加えて常に楽曲を進化させるドミコが、現在地を刻む再録作品『異(下)』。本作は2024年1月にリリースした同名EPの続編で、これまでに発表した曲の中から7曲をセレクトしてリメイク。全曲、楽器演奏とボーカルを新録し、新たなミックスとマスタリングで再構築している。楽曲によってはテンポや音数を変えているが、本作は奇抜なリアレンジ術を見せたり、演奏力の向上を示したりするものではない。そもそもドミコは最初から演奏力の高かったバンドで、オリジナルの時点で完成度の高いアレンジがなされていた。ただ、人は生きているうちに自然と気分や価値観などが変わっていく。本作は音楽と向き合い続ける2人が、2024年の”今、この時”に見ている景色を焼き付けたスナップショットのようなものといえるだろう。彼らが鳴らす、生きた音を感じよう。