HOLLOW

HOLLOW

2019年、ネット上に公開した楽曲が話題となり、エモラップ以降の世界的な潮流に共鳴するように活動を本格化させた(sic)boy。メジャーファーストアルバム『HOLLOW』は、オルタナティブ、エモ、ラウドロックやJ-ロックのエッジーな表現やメロディをヒップホップと融合することで育んだ唯一無二の個性が余すところなく注ぎ込まれている。「コロナ真っただ中の時期に活動を始めて、当初はヒップホップのイベントだけでライブをやっていたんですけど、2022年、2023年にかけていろんなフェスでライブをするようになって。ヒップホップの現場に立ちつつ、ロックフェスにも出るクロスオーバーな感覚こそが自分の強みだと再認識させられました」と、(sic)boyはApple Musicに語る。「でも、せっかくロックフェスに出たのに、もっとロックナンバーをビビらずにやれば良かったとか、フェスでは悔しい思いもして。だから、今回のアルバムは初めてライブを想定した曲作りにも挑戦しました」。日本、韓国、ロサンゼルスで制作が行われた本作は、Daichi Yamamoto、Only U、ナッシング、ノーホエアという国内外のラッパーや韓国のグループSEVENTEENのVERNON、さらにJESSE(RIZE/The BONEZ)という多彩なゲストをフィーチャー。ジャンルを超えた化学反応が圧倒的なエネルギーを生み出している。そんなアルバム『HOLLOW』について、ここからは本人にいくつかの楽曲を解説してもらおう。 shockwave SNSでエゴサーチする際に、FPSゲームのプレイ動画にBGMを付けている人をよく見かけるので、KMさんと「ゲーム動画に調和するトラックを作りたいね」と話していて。パンキッシュで、エレクトロな部分もあるこの曲はそのアイデアを具現化したものです。これまで僕は歌詞を何回も書き直したり、歌い直すタイプだったんですけど、今回のアルバムは引き算の発想でよりシンプルに考えて。さらにこの曲では頭を空っぽにして書いて歌うくらいがいいのかなと思って制作に臨みました。 living dead!! (feat. KM) 僕はただ落ちていくだけの暗い曲もすごく好きなんですが、この曲はダークでネガティブな部分を自分で掘り下げることによって、一つの光が突き抜けていけたらいいなって。「みんなもっと頑張っていこうよ」というよりは、「つらいよね」と誰かと共有することで曲の意味が浮かび上がってきたらいいなと願いながら歌詞を書きました。 sober この曲はリリックがかなり早い段階で出来上がっていて。どういう曲にしようかなと考えていた時、元のバージョンは結構パンクな、それこそ生バンドっぽい曲だったんです。でも、もう少し(sic)boyらしさ、(リズムマシンの)TR-808を鳴らしたり、トラップっぽさを加えて、ロックな部分を少し中和することでこの仕上がりになりました。 (stress)2 ライブ映えする曲を作る一方で、クラブ向けの曲も作りました。この曲では自分なりにヒップホップにアプローチしたんですけど、このアルバムで自分に興味を持って、さらにライブに来て作品とは違うアレンジを楽しんでもらうことで、リスナーとコミュニケーションが取れたらうれしいです。 Miss You (feat. VERNON) このアルバムは日本、韓国、ロサンゼルスで制作したんですけど、いろんな所で作っている分、バラエティ豊かな作品になりました。この曲は韓国にあるHYBEのスタジオに足を運んでVERNONさんと一緒に作りました。彼もロックが好きで、日本のバンドも聴いていて、自分のルーツとも少しかぶる部分もあってうれしい驚きがあったり、「どういうものを作る?」といった感じで、リラックスした状態での制作はすごく楽しかったです。 幽霊船 (feat. Daichi Yamamoto) 参加していただいたDaichi Yamamotoさんは、僕が個人的にリスナーとしてすごい好きなラッパーで、いつか曲でご一緒できたらと思っていたんです。今回、KMさんに連絡してもらって、直接お会いしてのレコーディングとはならなかったんですけど、先日、フェスの帰り道でたまたまお会いして、「イメージに合ったいい曲ができたね」と初めてお話ができました。 Falling Down この楽曲はロサンゼルスに行って、Zakk Cerviniというプロデューサーと作りました。まさにロサンゼルスという感じのポップパンクで、その土地じゃなければ生まれなかった曲かもしれないですね。

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