叶わない恋や、さえない自分など、ままならない現実をリアルに描き、その思いを『blues』というタイトルに落とし込んだメジャー2作目のオリジナルアルバム。ドラマや映画の主題歌を次々と手掛け、back numberの名が世間に広く知れ渡ったタイミングでのリリースとなった。「笑顔」で歌われる“絵にも歌にもならない毎日”というフレーズが象徴するように、大多数の人がドラマチックなことはそうそう起こらない人生を送っている。その事実を踏まえた上で、そうした日々の中にもさまざまな感情が渦巻き、震えるような喜びや悲しみがあるということを丹念に描く。愛がないことを知りながら関係を続ける大人の恋愛ソング「助演女優症」、爽やかな青春の情景の中に思春期のエゴイズムを描き込んだ「恋」など、アンバランスな心の揺れ動きを映し出す歌が多くの人々の心に響く。