長きにわたってベートーヴェンの作品を演奏し続けてきた世界最高峰のオーケストラ、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団が、歴史的大作曲家の生誕250年を高らかに宣言すべく、ベートーヴェンの全交響曲を収録したアルバムを発表した。指揮を務めるのは若き世代の指揮者の中でも傑出して旺盛な活動を行うアンドリス・ネルソンス。ネルソンスはベートーヴェンの燦然と輝く9つの交響曲を、ウィーン・フィルの伝統に寄り添いつつも明確で力強いイメージを持って指揮している。ハイライトは豊潤でドラマティックな第4番、パンチの効いた第5番、輝きにあふれた第6番「田園」、活力みなぎる第8番、そして第9はラストを飾るにふさわしく、ウィーン楽友協会合唱団の合唱と4人の歌手による独唱も見事。ベートーヴェンのアニバーサリーイヤーを大胆に祝した作品。