

「すべての曲に思い入れがあって、全曲リードシングルっていう作品になりました」。STUTS on the WAVEのファーストEP『STUTS on the WAVE』について、STUTSはApple Musicに語る。日本のヒップホップシーンを代表する存在の2人、STUTSとZOT on the WAVEから成るこのプロデューサーユニットは、それぞれが個別で手掛けたKaneeeの制作現場でZOT on the WAVEがセッションを持ちかけ、STUTSが応える形で共同制作をスタート。2024年にLEXとLANAが兄妹共演を果たした「明るい部屋」で大きな話題を振りまきながら、多忙な合間を縫って断続的にセッションを重ねた。 「俺から見たSTUTS君は、プロデューサーとしてはもちろん、プレイヤーとしても超一流。MPCプレイヤーとしてはみんなご存じだと思うんですけど、鍵盤やシンセサイザーさばきもめちゃくちゃイケてて、自分には絶対まねできない」。そう語るZOT on the WAVEに対し、STUTSは「ZOTさんは最新のヒップホップに対する理解がめちゃくちゃありつつ、ビートのノリがとにかく良い。身体性が伴っていて、模倣ではなく本当にZOTさんのグルーヴになっている。さらにテーマやトップラインを提案したり、プロデューサーとして総合的に素晴らしい方です」と互いの仕事ぶりをたたえる。BAD HOPと関係が深いZOT on the WAVEがオファーしたBenjazzyと、STUTSが過去に制作経験があるiriが参加した「雨」に象徴されるように、それぞれの個性の尊重と融合が本作に比類なきケミストリーをもたらしている。 「僕とZOTさんって、活動してるフィールドがそれぞれあって、外から見たときにこの2人が組むんだ?って思われるかもしれない。でも、目指している所だったり、根本は同じ。僕たちはヒップホップ大好きでずっと生きてるので、フィールドの違いは関係ないし、いい音楽を今後もみんなで作っていこうよって思っています」とSTUTSは語る。音楽シーンに新たな波を起こした作品について、ここからは、STUTS on the WAVEの2人に各楽曲を紹介してもらおう。 Perfect Blue (feat. Tiji Jojo, Daichi Yamamoto & RYO-Z) ZOT on the WAVE:去年旅行に行った宮古島でこのビートを聴きながら海沿いをドライブしていて、完全にPerfect Blueだわ(笑)となり、帰宅後、STUTS君に相談して曲のトピックが決まりました。RYO-Zさんの「楽園ベイベー」のセルフサンプリングにはさすがに痺(しび)れました。 STUTS:Tiji Jojoさんのフックとバース、Daichi君のバースも最高です。 Shall We (feat. Yo-Sea & LEX) STUTS:Yo-Sea君のフックとLEX君のバースは完成してる状態で、最後にYo-Sea君のバースを彼とZOTさんの3人で考えて完成しました。アイデアを出し合って作る過程が最高で、レコーディングが終わった瞬間はとても感動的でした。 ZOT on the WAVE:STUTS君のスタジオで、終わった時は3人全員ぶち上がりました。2人で作った一発目のビート。ボーカルが乗って化けました。 Natural (feat. BIM & Watson) ZOT on the WAVE:自分の旧スタジオでSTUTS君、BIM君と3人でフックを作り、その後、BIM君宅でゲームしたり酒飲んだりしながら、BIM君とWatsonで掛け合いの部分をわいわい作り上げた思い出があります。ナチュラルに気持ちいい曲です。 STUTS:サビの歌メロはZOTさんが考えました。ZOTさん節を歌うBIM君が新鮮で、でもBIM君って感じがする。Watsonさんと初めてご一緒できたのもうれしかった。ZOTさんの808の鳴りも最高です。 Mom & Dad (feat. Kaneee & 7) ZOT on the WAVE:参加してくれたラッパー2人に共通するトピックを考えた時に、パーソナルな事を歌った方がいい曲ができそうな予感がした。ライブの楽屋でKaneeeと7にタイトルを「Mom & Dadにしない?」と伝えたら「いいっすねー」となって仕上がった曲。ラストフックの2人のユニゾンが好きです。 STUTS:Kaneee君と7さんが大切にしてる思いを書いて、歌ってくれてうれしかったです。 雨 (feat. iri & Benjazzy) STUTS:ZOTさんとのセッションでは僕が上ネタやシンセサイザーを弾いて、ZOTさんがドラムや808、声ネタなどを入れるパターンが多いのですが、この曲に関してはZOTさんが弾いた上ネタの上に僕がドラムを組むところから作り始めました。雨と喪失というテーマでiriさんとBenjazzyさんにお願いしたら、素晴らしいリリックを書いてくださり感動しました。iriさんはボーカリストとしてもめちゃくちゃ優れている方。ニュアンスがとてもすてきです。 ZOT on the WAVE:普段ハードなことを歌うBenjazzyがしっかりかましてきた。抜けのあるボーカルはこの曲のミックスをしたSTUTS君の超ナイスムーブです。 Final Destination (feat. Campanella, Candee & 鎮座DOPENESS) STUTS:2人で完成させた初めての曲です。鎮座DOPENESSさんとCampanellaさんとこの曲をレコーディングした日はいろんな偶然が起こって、一生忘れられない日になりました。Candeeさんのフックで世界が開ける感じもとても気に入ってます。 ZOT on the WAVE:ビートを作った後トピックをSTUTS君と決めている時に、ホラー映画の『ファイナル・デスティネーション』シリーズの話題で盛り上がり、そこから着想を得てこの曲ができました。The 漢(おとこ)の一曲って感じです。