Iced Out - EP

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PUNPEEBIM

「前作の『焦年時代』をリリースした際に『また何年か後の夏にやれたらいいね』なんて話してたんです」。ラッパー/プロデューサーのPUNPEEは、BIMとのダブルネームの作品としては3年ぶりとなるセカンドEP『Iced Out』についてApple Musicに語る。レーベルSUMMITに所属する2人は、2018年に発表されたBIMの「BUDDY feat. PUNPEE」を筆頭に、2022年のEP『焦年時代』、そして、2024年のBIMの「DNA (feat. Kohjiya & PUNPEE)」と数年おきにコラボレーションを行ってきた。「何年かに一度、一緒に活動することについて考えたとき(マンガの)『こち亀』に出てきた日暮というキャラクターを思い出してしまって。彼は4年に一回だけ目覚めるんですけど、自分たちののらりくらりとたまにやる感じがリンクしてしまって、冬眠することにしました(笑)。解凍されて目覚めるキャラクターとしては、自分たち的には『浦安鉄筋家族』で小鉄がリコーダーを吹くと、近所の氷屋の氷の中から大巨人が出てくる感じに近いです」。そう説明するPUNPEEの飄々(ひょうひょう)とした語り口は、Elle Teresaを迎えた「SHAMPOO」やGeisha Girls「少年」のカバーを含む今作において、遺憾なく発揮された彼らの遊び心を物語っている。 「前作は日本の夏をテーマに制作しましたが、今回は日本に限定せずに大きく夏で行こうとなりました。でも、なんか縛りは欲しいということで、カバー曲以外は両作とも夏って言葉を使っていないです」と、BIMが続ける。テーマやトピック、言い回しの妙に2人のラッパーの個性を色濃く投影した本作『Iced Out』について、ここからは本人たちに全5曲を紹介してもらおう。 Biz Partner PUNPEE:(BIMとは)SUMMITで10年以上共にいるわけですが、お互いありがたく音楽で生活させていただいてて、色々くぐり抜けてきた“ビジネスパートナー”っていうか。良いことも悪いことも悲しいこともあったし。最初はデュオでこんなにたくさん曲を出すとは思ってなかったですが、自然と仕上がりました、という。天然氷のような感じです。P BIM:俺が9歳の時に発売された『ぼくのなつやすみ2 海の冒険篇』というゲームが好きで。ちょうど9歳の主人公“ボク”が、8月1日から31日を田舎のおじさんの家で自由に過ごすゲームなのですが、どうしても終わらせたくなくて30日目でやめたんです。一緒に横でゲームを観ていた母親から「結末を知りたいからクリアしてよ!」って何度も言われたんですが、まだメモリーカードの中は8月30日のままです。クリアする気はありません。 マカロニメン PUNPEE:基本的に2人で集まると中身のない話をして楽しんでいるので、それを体現したような曲になってしまいました。“マカロニメン”というワードが好きだったので、あとは流れでニュッと出てきた感じです。“〜マン”とか“〜メン”というワードが好きなので、これからも無限増殖します。P BIM:俺の歌詞にはよく田園都市線が出てくるんです。この曲にも「飲みに田都ガタゴト」って出てきます。川崎市で育った俺は、子供の頃、田園都市線に乗って渋谷や表参道みたいな大人の街に連れて行ってもらいました。だから田園都市線に乗るとほんの少しだけワクワクするんです。もういい大人なのに。なんか嫌なことがあっても、なるべく楽しいことを探していたいです。 SHAMPOO feat. Elle Teresa PUNPEE:Benedict Quinn氏作のこのトラックがとても好きで、4年ぐらい何に使用しようかと思ってたので、今回しっくりきてよかったです。こういうビートだとどうハマるんだろうとエキサイトしていたElleさんのバースを聴いた時はうおーとなりました。リリックの固有名詞の気にならせる感じとか存在感、声の力の抜け感とかが唯一無二でいつもかっこいいです。P BIM:多めに韻を踏みました。Elleさんの「そのお話、お風呂場あるメリット?」にぶっ飛ばされました。 Fatal 蜥蜴 Attack PUNPEE:地元板橋の実家の近くに大きな池があって、毎年夏になると道端をカエルさんやトカゲさんが歩いているのですが、厳しい自然の中で、ぺちゃんこになってしまっている方々もいらっしゃって。通学路では夏の太陽で干からびてしまっていたりもします。自分たちもありがたいことに毎年夏は忙しくしてるんですけど、締切とかでヘロヘロになった時の自分たちとその爬虫類の姿が重なってしまって、最後にこれでもくらいやがれ!というノリで作りました。EPで一番最後にできた曲です。P BIM:こんなにラップがうまい人と作品を作るのは嫌ですよ(笑)。wav.売ってハスりん。「蜥蜴 Attack」って何ですか! 少年 PUNPEE:元々Geisha Girlsや、ほぼ同時期に出た(KOJI 1200の)『アメリカ大好き!』が大好きな世代でした。若い頃は坂本龍一さんやTOWA TEIさんのプロデュース作品にめちゃくちゃやられてたんですけど、特に好きだったこの曲が『焦年時代』とリンクしていたので、前作の制作が終わった時からカバーの話をしていました。佐藤優介さんのアレンジでめちゃくちゃ最高になりました。感謝です!P BIM:素敵な曲を先輩と歌えてうれしいです。この曲でだけ“夏”って言ってしまってます。カバーだからセーフですかね。