Pieces

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「バンド活動をしてきた12年間の中で一番激動の一年でした」。これまでにない快進撃を見せた2024年について、Omoinotakeの藤井怜央(Vo/Key)はApple Musicに語る。1月リリースのシングル「幾億光年」で幕を開けた2024年。ドラマ主題歌となったこの曲が異例のロングヒットを記録したことでOmoinotakeの名は一躍広く知られることとなり、年末には念願だったNHK紅白歌合戦に出場。その大きな変化の中で彼らはメジャーセカンドアルバム『Pieces』を制作し、年明けの2025年にリリースした。 “かけら”を意味する“Piece”を複数形にしたタイトルについて、福島智朗(B)は振り返る。「僕たちは作曲と作詞を別々のメンバーが担うなど、1人だけでは一つの形を作れない3人が集まってできているバンドです。3人が寄り添い合い、それぞれが最大限の力を発揮することで、Omoinotakeというバンドを輝かせる存在になれる。2024年はそのことを改めて感じた年だったので、このタイトルを付けました」。例えば「幾億光年」は、もともと福島が記していた言葉を見て、藤井がサビのメロディを思いついたのだという。そんなふうにメンバー同士のインスピレーションが重なった時、Omoinotakeならではの色合いを持つ曲が生まれる。そしてそこには互いのクリエイティビティに対するリスペクトがある。「サウンドとしては(作曲を手掛ける)怜央のイメージから大幅に変えることはあまりない」。リズムの要を担う冨田洋之進(Dr)は自身の役割について語る。「僕は怜央が表現したい楽曲の世界をより華やかに彩れるように、自分のスキルを研ぎ澄ましていたい。このバンドの超タフな心臓になろうと思っています」。激動の2024年を経て磨き上げた『Pieces』と共に、Omoinotakeは新たな道へ踏み出す。「やっと新しいページが開いたような気がする」と福島が話す本作について、ここからは3人にいくつかの楽曲を解説してもらおう。 P.S. 藤井怜央:アルバム制作の最後に完成した曲。ガツンと疾走感のある曲で始めたいという思いで1曲目にしました。 福島智朗:サビの「書き足して」というフレーズから「P.S.」という言葉が浮かび、さらに『Pieces』と同じくPで始まりSで終わるスペルに運命的なものを感じてこの曲名に決めました。 冨田洋之進:アレンジはジャングルのビートを使った曲を作りたいというアイデアから始まりました。本来ジャングルは打ち込み音を使いますが、我々の出自であるロックを掛け合わせたら熱い曲になるんじゃないかと考え、自分が出せるものすべてをこの一曲に集約したいと思ってドラムを叩きました。 フラジャイル 藤井:僕たちはずっと“踊れて泣ける音楽”を軸に曲を作っています。その中でも僕が思う、ど真ん中のものを作りたいと思い、アップテンポで四つ打ちのリズムながら、哀愁が漂う曲調にしました。打ち込みでは出せない生楽器ならではのグルーヴで引っ張る曲にしたくて、生ドラムやパーカッションをたくさん入れ、かなり試行錯誤しながら理想のサウンドに近づけていきました。 福島:今回のアルバムは曲を先に作るパターンが多く、作詞をする僕はある程度怜央の作った曲調に合わせて歌詞のイメージをふくらませていきました。特にこの曲は、深い悲しみを一番深いところで書ける曲だと感じていました。 Better Half (feat. JEONGHAN of SEVENTEEN) -Japanese ver.- 藤井:JEONGHANさんからオファーをいただいて実現したコラボレーションです。JEONGHANさんは本当にスウィートな歌声で、彼の歌声を基に、僕もどんな声質にしようか考えました。JEONGHANさんがどこで僕たちを知ってくださったのかは分からないのですが、やはり「幾億光年」でたくさんの人に聴いていただくことによって実現したんじゃないかなと思います。本当にうれしい限りです。 Pieces 福島:このアルバムの中で唯一、歌詞全体を先に自由に書かせてもらいました。アルバムを象徴する曲にしたかったし、アルバムを作るタイミングだからこそ、このバンドの極めて個人的な部分を書けると思った。まさにタイトルに込めた思いを象徴するような言葉が並んでいます。