Happier Than Ever

Happier Than Ever

2000年代生まれのアーティストとして初めて全米1位を獲得したデビューアルバムで、ポップミュージックに革命をもたらしたビリー・アイリッシュ。そんな前作から2年の間に世界は激動し、ビリー自身も大きく揺らいだ。そこには時代のアイコンとなった重圧も、計り知れないものがあったはずだ。ロックダウンのさなかで書かれた本作は、彼女いわく、自分の葛藤をすべてさらけ出した正直なアルバムだという。自己愛と個の力をソウル/ジャズの香りが漂うサウンドに乗せたモダンなR&B「my future」から、インダストリアルビートの圧迫感で自身の名声やプライバシーとの戦いを心の叫びで綴る「NDA」まで、「Happier Than Ever(今までで最も幸せ)」と題されたジャケットで、それでもビリーは涙を流しているように、アルバムには悲しみと喜び、ハイとロー、あらゆる相反する想いがアップダウンして、感情の起伏が渦巻く。中でも、自身もこれまでで一番好きという、ビリー史上最もアコースティックなバラード「Your Power」は特筆すべきだろう。絶望にすら希望は宿る、とかつて語った彼女が、混沌の先で見出した光を目撃してほしい。

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