New Amerykah, Pt. 2: Return of the Ankh

New Amerykah, Pt. 2: Return of the Ankh

1997年の「Baduizum」で鮮烈なデビューを飾って以来、その確かなパフォーマンスと独特のキャラクターでヒップホップ時代のソウル・ミュージックを体現してきた Erykah Badu が2010年にリリースした通算5枚目となるアルバム。タイトルからも分かるとおり、2009年にリリースした前作「New Amerykah Part I: 4Th World War」と対を成すシリーズの続編となっていて、アメリカという国の社会情勢への辛辣なメッセージという意味合いが濃かった前作とは対照的に、よりエモーショナルでエンターテインメント色の濃い作品に仕上がっている。プロデュースは Erykah Badu 自身が務めているが、共同プロデューサーには曲ごとに 9th Wonder や James Poyser、Sa-Ra Creative Partners の Shafiq Husayn、Madlib、Georgia Anne Muldrow などそうそうたるメンバーを迎えていて、"Love" では亡き J Dilla の名前もクレジットされている。そうした個性的なアーティストたちとの共同作業から生み出されたゆったりとしたグルーブに身を委ね、力むことなく軽やかに歌いながら、その中に包みこむような大きな優しさと決して揺らぐことのない芯の強さを感じさせる歌声。その豊かな表現力と圧倒的な存在感は、Billie Holiday や Aretha Franklin といった偉大な先人たちの系譜を継ぐソウル・ディーバと称するにふさわしい。