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1980年代のジャパニーズ・パンク・シーンを代表するバンドの1つ、じゃがたら。初期はグロテスクなライブ・パフォーマンスばかりが取り上げられ、キワモノ扱いもしばしばだったが、ギタリスト OTO の加入により音楽性が著しく向上。1981年に初のアルバム「南蛮渡来」をリリースした(目まぐるしく変わっていたバンド名は当時 “暗黒大陸じゃがたら” )。彼らのサウンドを表すキーワードの1つに “ファンク” があると思うが、ファーストにしてその粘っこいグルーブは完成されている感がある。そこに絡むボーカル、江戸アケミの強烈な個性。これが彼らを他のパンク・バンドと違うユニークな存在にしていたのだ。四の五の言わず聴いてみてほしい。 “でも・デモ・DEMO” のたたみかけるカッティング、そしてアフター・ビートが最高に気持ちいい “タンゴ” 、9分を越える終わらないファンク “クニナマシェ” ……全く色あせていない。日本を代表する才能であると同時に、ニューヨークやロンドンのニューウェーブ、あるいはノーウェーブ・シーンともダイレクトにつながるアティテュードも最高にクールだ。