CULTURE DOG

CULTURE DOG

「人生で30曲やっと書いたかなというくらいなので、アルバムを作るというよりも、曲を作ること自体が気付きだらけ」。Mega Shinnosukeは初めてリリースするフルアルバム『CULTURE DOG』について、Apple Musicにそう語る。2000年に生まれ、2017年に作曲を始めたという彼が、いかに速いスピードで成長しているかというのは、ファーストアルバムにして高い完成度を誇る本作を聴けばすぐ分かるだろう。音楽ストリーミングサービスで気になる曲を次々と聴くことが当たり前の世代である彼にとっては、「アルバムというものに対する感覚が分からなくて、探り探り作った」という。その上で一つ頭にあったのは「時間的に長いアルバムにはしない」ということ。自身も「長く感じるアルバムを通して聴けない」そうで、同じ感覚を共有しているであろう同世代にも楽しく聴いてもらえる長さを目指し、11曲収録でトータル39分を実現した。「曲ごとに見ても、ポップの枠を外れずにオルタナティブへ昇華できていて、展開も多くて3分くらいにぎゅっと凝縮できている。それぞれの曲をこの完成度に持っていけた上での39分。そこがうれしかったですね。なんだかスポーツ選手みたいですけど、このタイムが出せたことを誇らしく思います」さまざまなジャンルの境界を飛び越えていくサウンドの上で、偽りない等身大の言葉が生き生きと輝く全11曲。以下、Mega Shinnosuke本人が各楽曲を解説してくれた。Thinking Boyz!!!僕はどちらかというとあっけらかんとしたタイプではなく物事を考え続けるタイプで、それによって不安に駆られることもあります。例えば、クリエイティブについて。自分の中に明確なビジョンがあるから、それをどうやってブレずに実現させるかとか。同じように何かを考え続けてしまう人も多いと思うけど、考え続けること自体はやめられないから、それを強みに変えて生きていこうというメッセージソングです。Lead 2 Love : )誰とも会う予定がないときに一人でぼーっと愛全体について考えているイメージの曲です。愛について俯瞰して考えているんだけど、あくまでも等身大に。僕は等身大から外れたことはしたくないという気持ちが強くて、自分の言葉で歌っていけば視点が変わっても一貫性は出せると思っています。この曲は、でき始めたときにすごく良くなると確信できたので、より飛躍させたく、今までやったことがなかったようなホーンアレンジなども試してみたいと思って、アレンジを浦上想起くんにお願いしました。面識はなかったのですがSNSのDMで連絡したら僕のことも知っていてくれたみたいですぐに話が進みました。レコーディングに参加していただいたゲストミュージシャンも僕から何人か名前挙げさせてもらって、ハマ(・オカモト)さんにも来てもらえました。兄弟 feat.クボタカイこの曲は「Lead 2 Love : )」とつながりがあって、「Lead 2 Love : )」の一人で愛について考えている広がった視点を、日常を切り取ることに向けた感じです。一人で壮大なことを考えていたところから、街に出たら友達と会ってブラザーっぽいテンションになるという。日常の中で友達を大切にしようというテーマの曲です。Schoolガレージロック的であり、明るめのインディーポップ的でもある曲です。ガレージロックのレコーディングでよく使われる王道的なマイクと、きれいな音のコンデンサーマイクを2本立ててボーカルを録るという少し変わった手法を使っています。フットサルを一緒にやってるオカモトレイジくんがドラムを叩いてくれています。反好青年オルタナティブヒップホップを作るところからスタートしたのですが途中でつまらなくなっちゃって、だんだんグランジみたいになっていった曲です。パソコンで歪み系の音色をめちゃくちゃ上げて、ベースをベンベンベンって鳴らしたらグランジっぽくなったんだけど、ドラムは打ち込みでわりとベタっとしているというかっこよさを狙いました。レコーディングの朝までイントロもなくて、急きょ作って、3分あったところを2番をカットして短くして。いい具合にインタールード感も出せました。甲州街道をとばして酔っ払ってタクシーに乗って帰っているとき、なんだか絶望的な気持ちになるんですよね。「さっきまであんなに楽しかったのに」って。そういう感傷的な気持ちを歌ってみようかなと思って作った曲です。Sportsちっちゃいころ、友達とドッジボールなんかをして遊んでいたら、だんだん知らない子が増えて、最後はめっちゃ大勢で遊んでいるようなことってあったと思うんですけど、大人になるとそういうことがなくなって寂しいなという気持ちで、いろんな人と交流したり、認め合ったりすることって良かったよねということを思い出した、みたいな曲です。Sweet Dream feat.Jinmenusagi“揶揄ったパブリック”という言葉から入る曲で、いろんな見られ方とか、自分に対するネガティブな反応もあるけど、自分のやりたいことを実現させたいよねという気持ちを書いたものです。“革命を待っていたshoes”というのは、一歩目を踏み出す気持ちのメタファーです。お洒落すぎてどうしよう僕はほぼ古着屋しか行かないんですけど、古着屋で良い服に出会ったとき、脳内で80’sディスコじゃないですけどパーティーが始まって、最後会計のときに現実に戻る、というイメージの曲です。「O.W.A.」に近いヴァイブスがあって、ちょけてる感じが気に入っています。2番の歌詞を作るとき、リズムにバチっとハメているラップなので、どう言葉を乗せていくかずーっと考えている時期がありました。結果すごく気に入っていて、“飛び出せ原宿street”の部分は、ライブで各地を回ったときにその土地の古着屋の名所に変えて歌いたいです。福岡なら「飛び出せ大名street」とか、大阪なら「飛び出せアメ村street」とか。blue men.人生で初めて書いた曲です。2017年に作って、その年か翌年かに動画共有サイトに載せました。ライブでもたまに歌うのでファンの間でも定着してきていて、音楽ストリーミングサービスでも聴けるようにと収録しました。書いたころの気持ちは明確には覚えていないんですけど、ブルーな気持ちになっても毎日もがきながら進んでいくという曲です。ミュージシャンになるつもりもなかったし完全に独白ですね。今回、レコーディングもミックスもやり直して、アレンジも絶妙に変えています。明日もこの世は回るからアバウトに言うと「人間いろいろあるけど前向きに生きていこうぜ」というメッセージソングです。聴いてもらったら分かるストレートな歌詞だと思います。こういう直接的な言葉を乗せられるのはロックサウンドだから。ダンスサウンドでは言いにくい。ロックだからこそ、直接的で熱いメッセージも自分は好きだなということでできた曲です。

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