ありがとう

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“ネバヤン”節にますます磨きがかかったアルバムである。前作『STORY』から約4年ぶりの通算5作目となる、メンバーが3人になっての初作。往年のサザンロックの匂いも漂わせ、バンドの持ち味である温かみのあるサウンドがさらに豊潤になっている。録音は岡田拓郎(G)などライブのサポートメンバーも参加した計6人で行われ、各楽器の音色にもこだわった音作りが突き詰められた。1曲目の「哀しいことばかり」で笑顔の大切さを歌い、かと思えば続くカントリー&ウェスタン調の「毎日幸せさ」では逆に幸せの反面にある不安感を歌い、風刺めいた表現も見せる。このように、日常を軽妙に歌いながら悲喜こもごもを忍ばせる安部勇磨(Vo/G)の作風は健在で、中でも魅力を放っているのは「らりらりらん」だろう。全9曲には映画『犬も食わねどチャーリーは笑う』の主題歌となったスローバラード「こころのままに」、同じく先行でリリースした軽快な「Hey Hey My My」も収録。ラストを飾る「帰ろう」はそれぞれの人にとっての大切な存在の下へ帰ろうと歌うメッセージソング。シティポップの文脈で語られることが多く、懐かしさが香る楽曲も多いnever young beach。しかし彼らはレトロに浸っているのではなく、その時代のリアルな空気感を歌うバンドなのである。

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