1970年代中期のパンクムーブメントは、世界各国にその余波を残していったが、オーストラリアでその中心に君臨していたのがザ・バースデイ・パーティである。1984年の解散後、そのリード・シンガーだったニック・ケイヴが、より前衛的な表現の場としてスタートさせたのがザ・バッド・シーズ。元アインシュテュルツェンデ・ノイバウテンのブリクサ、元マガジンのバリー・アダムソンなどを迎え入れ、ブルースや演劇音楽を昇華させたダークな音楽性をアルバムごとに発展させていく。1990年代に入ってからはカイリー・ミノーグとのデュエットなど、意表を突く試みを時折見せつつ、安定した人気を保っている。