Nathan Hartono:2020年を乗り越える力になった曲

Nathan Hartono:2020年を乗り越える力になった曲

Apple Music

かつてない変化に直面した2020年は、誰もが新しい生活様式に順応するための時間を必要としていた。Nathan Hartonoもまた、その一人だった。彼はApple Musicに語る。「僕は満足のいくクリエイティブなレベルを維持するのに苦労していた。自覚していなかったけれど、ここ何年にもわたって、実はツアーがそのインスピレーションを保つのに役立っていたんだ。でも、ツアーができなくなった今、それに代わる新たな方法を見つける必要があった」

インドネシア出身のシンガポール人俳優/シンガーソングライターであるNathanは、2005年にデビュー後、ティーンのポップアイコンとして人気を集めた。2016年に出演したオーディション番組『Sing! China』で、ようやく実力のあるシンガーとして認められ、ブレイクを果たした。そして2020年末、待望のEP『Do Nothing Day (什么都不做的一天)』をリリース。この作品では「中国音楽の世界で自分の居場所を見つける」ことを試みるとともに、このロックダウンの時代を総括してみせた。「このEPはロックダウン中の人々に寄り添えるような曲を作りたい、という気持ちから生まれた作品。メインテーマは“何もしないこと”。つまり、自分を大切にして、クレイジーな時期の真っただ中にあっても、自分の時間を持つことを自分自身に許すという意味だった」

 曲を書いていないときには、音楽を発掘することへの情熱(このプレイリストにも彼が見つけた楽曲が並ぶ)が、彼のインスピレーションを保ってくれた。「ここに並ぶ大半の楽曲は、僕が2020年に新たに発見したアーティストによるもの。僕は新しいアーティストの音楽を聴いて、自分が刺激を受ける真新しい世界を見つけ出すのが大好きなんだ。それは僕の趣味の一つであり、2020年を少しだけ楽にしてくれたことでもある」。彼をインスパイアした数々のアーティストの中でもお気に入りはジェイコブ・コリアーだという。「僕は常に、一つのジャンルや特定のスタイルにこだわらないアーティストに魅了されてきた。ジェイコブ・コリアーはこの世代の中でも最も素晴らしいアーティストの一人だし、みんなにもそのことを知ってほしい」

Nathanは新たな年に向けてこう語る。「ツアーは現時点では未定だけど、確実にたくさんの新たな音楽を届けるよ」。だがその前に、シンガポール人らしい新年を祝うことになるのは間違いなさそうだ。「家族と一緒におなじみの何軒かを訪問する予定。そして、何も考えずに全ての家で食べまくるつもり」