多岐にわたるジャンルを横断するエンジニア兼プロデューサーとして知られるChris Bell。彼が手掛けたプロジェクトは、R&Bからアメリカーナ、ロックなど、あらゆるジャンルにまたがるが、そこに共通するのは底知れぬソウルフルな感覚だろうか。エリカ・バドゥの蒼（あお）く燃えるような官能性をかき立てる「The Healer」、マール・ハガードをフィーチャーしたドン・ヘンリーの「The Cost of Living」のバラードの間ですら、そこに人肌の共通点を見つけられるだろう。さらにザ・ポリフォニック・スプリーが流麗なオーケストラルポップ調にミックスしたピーター・ガブリエルの「More Than This」のストーリー性の表現など、自然でいて的確な仕事ぶりがどの楽曲からも伝わる彼の仕事ぶりをぜひ堪能してほしい。