阿朵:新たな年、新たな感謝の気持ち

阿朵:新たな年、新たな感謝の気持ち

Apple Music

ポップ界のスターからエスニックミュージックのパイオニアへと転身した阿朵 (ADuo) にとって、2020年は実りの多い一年だった。「2020年は誰もが時代の潮流に乗った年だった」と彼女がApple Musicに語ったコメントは、刻一刻と変わる状況を体験したことを映し出している。2000年代にポップシンガーとして一躍脚光を浴びたが、2012年に表舞台から姿を消した阿朵。だが彼女は、2020年テレビのオーディション番組『Sisters Who Make Waves』のステージで、エスニックミュージックをフュージョンした新たなスタイルを披露し、復活を果たした。「みんなから番組に参加するよう説得されて。私の唯一の目的は、自分たちの“新たなエスニックミュージック”を宣伝することだった」。そして、彼女の作戦は成功した。「Z世代でさえ、その音楽のクールさに気づいてくれた」

トゥチャ族をルーツに持つ阿朵は5年間を山間部で過ごし、伝統的な音楽を学んだ。彼女は、エレクトロニカとトライバルなサウンドスケープをミックスした音楽レーベル、生養之地(Land of Music)を設立した。このプレイリストでは、自身の楽曲「扯謊哥」に加えて、伝統的なミャオ族の音楽にインスパイアされた龙仙娥(Long Xian Er)の「嫁女词」など、彼女が影響を受けた作品がリストアップされている。「私たちは常に“最高の音楽”を探している。でも、最高って何? 私は自分が持って生まれたものこそ、最も親しみやすい存在だと気づいた。それをうまく表現できれば最高なのだということにも」

阿朵は2020年を振り返り、「特別な一年だった。人々はパンデミックとの闘いで、苦い部分を経験した」と語る。そのためにも、彼女は聴いた人が癒やしを感じられるように、「世間」や、ゴスペルの影響が感じられる「Highs & Lows」といった楽曲を選曲した。「これらの曲は私を安心させてくれた。どれもとてもパワフルな楽曲」。新年に向けて、阿朵はニューアルバムとのコンピレーションをリリースする計画を立てている。最後に、完璧を追求することの定義について、彼女に尋ねてみた。「努力するということは、あれやこれや全てのことを成し遂げるためのものではない。そうじゃなくて、私たちはたった一つの目標を達成するべきだと思う」