

作曲家が、一人の演奏家によって奏でられる一つの楽器のために書いた音楽は、特別なパワーを持っている。独奏とは、文字通り伴奏を伴うことなく単独で楽器を演奏すること。演奏家は音符の一つ一つに込められた奥深いメッセージを余すことなくキャッチするべく真摯に譜面と向き合い、作曲家との時空を超えた対話をしながら楽曲を奏でる。そしてそこから生まれる音楽は、リスナーの心にストレートに届く魔法の力を宿しているのだ。一挺のバイオリンやチェロの響きが宇宙的な広がりすら感じさせるバッハの作品以降、作曲家たちは自身の魂の最も深いところから発せられる思いを表現するために、独奏曲のピュアなスタイルを大切に育んできた。このプレイリストでは、弦楽器、管楽器、ピアノなど、さまざまな楽器による独奏曲をじっくりと楽しむことができる。